慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

仏の教えとは・・・七仏通戒偈について

f:id:jiunji:20190529212121j:plain

 昨日、メダカに餌をやろうと雨の中を歩き始めたら、足元が滑りやすくなっていて、転んでしまいました。変に足をかばったので、かえって足首を痛めてしまいました。骨に影響があったとは思えなかったのですが、昨日と今日はじっとおとなしくしていました。夕方になって、少し痛みが引いたのでお医者様へ。幸い、骨に影響はなく、足首のサポーターと、シップ薬を山ほどいただいて戻りました。

 本を読むだけの日というのも悪くはありません。

 今日読んだ本に、「七仏通戒偈」のことが出ていました。この「偈」は法句経に出てくる古いもので、中国でも日本でもよく知られています。

 唐の時代の詩人白楽天が、禅宗の僧侶に「仏の教えとはそもそも何か?」と問うた時、その高僧は「諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教」と答えたそうです。

一切の悪いことを行なわず 善きことをし 自ら心を浄める これが諸仏の教えである

 私たち浄土教の教えに従うものは、「自らの心を浄める」の代わりに、「人のためにできることをさせてもらう」という教えを受けています。末法の時代にいきる凡夫である私たちは、自らの心を自身の力で浄めていくのは非常に難しいからです。

 しかし、できない自分に気が付いたら、そんな私でもこの身このまま救って下さっている阿弥陀仏の思いに感謝し、何とか自分でできることをさせてもらおうと思うのが、念仏者の生き方です。

 白楽天は「そんな教えは子供でも知っている」と言いましたが、高僧は「三歳の童子でも知っているが、八〇歳の老人でも実行は難しいぞ」と言って去っていったそうです。

◎今日の写真は大阪市立陶磁器博物館で見た、ヨーロッパ王室に伝わっていた水差しです。本当に美しい青でした。

 

法然房源空上人(法然上人)のお手紙

f:id:jiunji:20190526184802j:plain

 今日は朝からぐいぐい気温が上がり、しかも湿度も上昇。お月参りから戻って、植木に水をやり、メダカに餌をやったら、もう一日のエネルギーは消滅。

 法然源空上人(法然上人)のお手紙を集めた薄い本をパラパラと読みながらぐったりしていました。

 800年後に、こんな怠け者の弟子ができるとは法然上人も思ってもみなかったことでしょうが・・・

「罪は十悪五逆の者も 生きると信じて少罪をも犯さじと思うべし」

 法然上人の短いお手紙をあつめた『一紙小消息』の中の一説です。阿弥陀様は重い罪をおかした者も、その身そのままで極楽へ救い取って下さっています。阿弥陀仏のお慈悲、思いをしった今こそ、どんな小さな罪も犯すまいと決心しなければならないと、法然上人は私たちに呼びかけて下さっているのです。

 私のような怠け者も見捨てないのが阿弥陀様です。だからこそ、怠けて良いのではなく、少しずつでも努力しなくてはいけない・・・・う~~ん、でもエアコンが壊れていて、次の新聞社からの給料が届くまで、ちょっと買えそうもない(あ、僧侶がお金の愚痴など言ってはいけませんでした。)

 陽も落ちて、少し涼しくなったので、本堂の花替えをしましょうか。

法然上人の御遺灰は浄土宗西山派西山浄土宗)の総本山光明寺の御本廟に祀られています。嵯峨の二尊院や東山の知恩院にも分骨された御廟があります。圓光大師というのは、法然上人の大師号です。今日の写真は、光明寺の御本廟の初夏の様子です。

 

 

麦茶と塩飴、ご用意しました。お散歩の途中でお寺で一休みはいかが?

f:id:jiunji:20190524211112j:plain

 今日、名古屋は日中の温度が三十度を超えました。でも湿度は低いので、カラりとした暑さなら大丈夫。バンクーバーの真夏もこんな感じなので、ちょっとホームシックでした。

 季節の変化を認めたくなくて・・・・蒸し暑い夏のことを考えるのが嫌で、冬用の衣も仕舞えない私ですが、もう「夏来る」を認めざるを得ないでしょう。

 というわけで、慈雲寺の本堂には冷たい麦茶と塩分補給用のタブレットを用意しました。ご遠慮なく、本堂で一休みなさってください。

 本堂は風が通って心地よいですよ。お昼寝も歓迎です。小さなブランケットがありますので、座布団と共にご利用ください。

 万事きちんとした方だった先代さまも、夏のお昼寝は風の通り道の本堂でなさっていたそうですから、どうぞご遠慮なく。

 慈雲寺文庫も早く開設したいと思っていますので、ごろりと横になって本を読みながらうたた寝・・・という至福の時も楽しんでいただけるようにしたいと思います。

 私の理想は、いつでも本堂に誰かがいて、お茶を飲みながらおしゃべりしたり、お念仏を称えていたり....たっぷり時間がある人は境内の草取りをして下さるとか・・・

 そのためには、現在のなんとも登りにくい階段をバリアフリーにしたいものです。

◎今日の麦茶の写真はネットからお借りしました。やっぱり冷たい麦茶はガラスのグラスで飲みたいですよね。

 

御朱印”ブーム”を考える

f:id:jiunji:20190522202556p:plain

 上の写真は、インターネットの無料画像でご朱印帳の写真を探していたときに見つけました。国書刊行会は、仏教書や古典の原典復刻版を出すので有名な出版社です。う~ん・・・・あなたもブームに便乗しますか?という感じ。まあ、なかなかナイスなデザインだとは思いますが。

 先日、ある神社の取材に行ったら、令和元年の初日に向けて、セッセとご朱印の書き溜めをしていらっしゃるところでした。一枚300円で授与する予定で、200枚は書き溜めておきたいとのこと。その小さな神社にとっては、ありがたい収益になることでしょう。

 さきほどラジオを聴いていたら、令和初日の御朱印を求める人は全国的にたくさんいたようで、明治神宮では、何と10時間待ちの人もいたとのことです。

 御朱印は、神社や寺院を参拝したご縁の印。記念に欲しいという気持ちもわからないではありませんが、10時間も待つ意味は本当にあるのでしょうか?

 先ほどの神社にとって、御朱印ブームは経済的にもありがたいし、御朱印集めだけの目的であろうと、ともかくお参りに来てくれるというのは、宗教心がめばえるきっかけにならないとも限りません。ですから、同じく弱小貧乏寺院の住職としては一概に否定するつもりはありません。

 でもねぇ・・・・慈雲寺は今のところ御朱印は用意していません。時々、「御朱印をいただけますか?」と庫裏を訪ねて下さる方もいるので、気にはなっているのですが・・・うちには弘法大師もお祀りしていますから、弘法様のお姿を写したものをご朱印代わりにしてみようかとも思っています。慈雲寺にお祀りしている弘法様は、とても若々しい、お肌つるりんの愛らしいお姿なので、多くの方に知ってもらいたいという気持ちもあります。

 でも・・・やっぱり‶ブーム”に乗るというのは嫌だなぁ。

 ところで、先ほどのラジオによると、「御朱印」という言葉が定着したのは昭和時代だそうです。それほど長い伝統のある慣習でもなかったのですね。

 

今年も今川義元の御子孫よりお菓子をいただきました。

f:id:jiunji:20190520175103j:plain

 昨日(5月19日)は、今川義元を始め3500人以上の戦死者を出した桶狭間の戦いのあった日です。もちろん、旧暦の5月19日なので、厳密には違うのですが・・・

 上の絵は、インターネットの無料画像からお借りした今川義元の陣地に切り込む織田の軍勢の様子です。

 慈雲寺の周辺には、戦いに勝利した織田信長桶狭間の村人に「戦死者の供養をねんごろにせよ」と命じて去っていったという伝説があります。以来、桶狭間では毎年慰霊祭が行われてきました。

 昨日もお隣の長福寺の御老僧を導師に、長福寺御住職と私の三人でご供養させていただきました。500年近く、地元の人々が受け継いできた行事に、私も参加させていただけるのは、しみじみと嬉しい気持ちになります。また、桶狭間の戦いによって日本の歴史は大きく変わっていったわけですから、その犠牲となった方々をご供養させていただけるのは、特別の感慨があります。

 そして、もう一つ嬉しいのは、今年も今川義元公の御子孫からお供えのお菓子をいただいたことです。昨日は、丁寧な添え書きと一緒に送られたお菓子を仏様にお供えし、そのお下がりを満月写経の会においでになった方々と一緒にいただきました。

 

 



19日は満月です。お月見をかねて写経・写仏をしませんか?

f:id:jiunji:20190518154802j:plain

 慈雲寺では、毎月、満月の夜にお月見を兼ねて写経の会を行っています。穏やかな気持ちになることが第一の目的ですので、字の上手下手は全く関係ありません。

 必要な用具は全て用意してありますので、お気軽においでください。筆ペンを使いますので、もし毛筆で書写なさりたい方は、ご自分の用具をお持ち下さい。

5月19日(日)夜7時半より、皆なで『般若心経』を読経します。それから、毎月少しずつ心経の内容についてもご一緒に学んで行きましょう。

 ゆっくり時間をかけて写経なさりたい方は、早めにおいで下さっても大丈夫です。また、7時半に間に合わなくても、あわてずに都合の良い時間においで下さい。

 また、慈雲寺の本堂には、いつでも自由に写経をしていただけるように用意がしてあります。お好きな時に本堂に上がって、阿弥陀様とゆっくりくつろぎながら写経をして下さい。もしご質問などがありましたら、庫裏までご遠慮なくお声がけください。

◎今日の写真は、真言宗などで「阿字観」と呼ばれる修行に使われる絵です。満月の中に「阿」のサンスクリット文字が浮かび上がっています。

思わず蚊をたたいてしまった・・・・もう夏です。

f:id:jiunji:20190517073032j:plain

 慈雲寺の境内には、大きな土管(?)を利用した水甕が二つあります。そこに数年前メダカを放流して下さった方があって、人生初のメダカ飼育を始めました。

 旅行ライター専業だったころは、一年の四分の一ぐらいしか自宅に帰らなかったので、生き物を飼うことはできませんでした。植物もサボテンだけ・・・こうして生き物を飼えるようになったのは嬉しい。いずれミニブタとかヤギとか飼ってみたいと思っています。

 メダカについては餌も適当。卵を持っているメダカがいることにも気づかずという最悪の飼い主でしたが、いつの間にか数も増え、すっかり成長してすでにメダカの域を超えている大型もいます。

 しかし、今年は卵を抱いているメダカを見つけたので、とりあえず別の甕に移し様子を見ると・・・いやぁ・・・生まれました20匹ぐらい。なんだか新な命にドキドキします。

 というわけで、昨日甕を除いていたら、ぶ~~~ん。メダカに夢中になっていたので、何も考えずパチンと叩いてしまいました。

 先週、南伝仏教の僧侶の方たちと「戒を守る」ことについて話をしていて、たとえ虫でも殺生はだめ・・・と考え始めたところだったのですが・・・・

 反省しながら台所へ戻ったら、なんとコバエが飛んでる~~!これは私がきちんと掃除をしなかったせい。殺虫剤をまき散らすのもいやだし。どうすればいいんだぁ??

 今日はしっかりお掃除に集中して過ごすことにします。

◎今日の写真は和歌山でみた蘇鉄の花です。