慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今月の満月写経の会は9月14日(夜7時半より)です。どなたでもお気軽にご参加下さい。

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 今夜は中秋の名月のはずですが、朝からどんより曇っています。薄雲越しのお月さまも素敵なので、このまま雲が薄くなってくれるのを祈っています。

 さて「中秋の名月」とは、旧暦の秋(7月から9月)の丁度真ん中の日といういみだそうで、実は満月ではありません。

 なので、慈雲寺で毎月行っている「満月写経・写仏の会」は明日14日の満月の日に行います。

 明日はクリアに晴れてくれるといいなぁ・・・でも、お天気のことを心配しても仕方がありません。晴れたら嬉しい、雲に隠れたり現われたりする月もいい・・・というふうに、どんな天気でも楽しんでしまいましょう。

 慈雲寺の写経の会は7時半から、みんなでご一緒に『般若心経』を読誦し、心経の内容についても少しずつご一緒に学びます。

 でも、早めにいらしてゆっくり写経をする方もいらっしゃいますし、7時半に来るのは難しいという方は、遅れていらしても全くかまいません。

 慈雲寺の写経・写仏の会は「ゆるり、ゆったり」が基本。自分の気持ちと穏やかに向き合うのが目的です。字の上手下手は関係ありません。

 お道具も全て用意してありますので、どなたでもお気軽にご参加下さい。

 

移り変わるもの、壊れるものは苦である

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 英語を忘れたくなくて・・・というのを言い訳に・・・インターネットでアメリカのテレビ番組を見ることができるサイトと契約しました。一か月1000円ほどですが、私の贅沢の一つです。

 ここ数日、なんだかいろいろとくたびれてしまい、少しぼんやりと過ごしたくて、あるテレビ番組を4シーズン分次々と見てしまいました。

 毎週、少しずつ見ていれば、それほど感じなかったかもしれませんが、4年の時のながれを一挙に見てしまうと「残酷な現実」というのをまざまざと見てしまいます。

 それは登場人物の姿に現れる「時の流れ」です。子役が成長するのは当然ですが、主人公の俳優も女優も確実の歳をとる。仕事がら、見た目を維持するための努力は怠らないはずなのに・・・もちろん、その変化によって、より親しみやすく、美しくなる人もいるのですが、俳優にとって「老い」は多くの人たち以上に残酷なものになってしまうでしょう。

 仏教では全ての生きとし生けるものは「生老病死」から逃れることはできないと教えています。「諸行無常」・・・すべてのものは縁によって移ろい、変化し、壊れていきます。

 そして、移ろうもの、変化するものは「苦」ととらえるのが仏教の基本的なものの見方です。しかし、けして全てを否定的に見るのではありません。

 生老病死諸行無常の現実をしっかりと見つめ、むやみに抗うのではなく、仏さまがお示し下さった真理への道しるべととらえていきましょう。

 アンチエイジングに夢中になるよりも、自分の体をいたわり大切にしながら、他の人のためにできることを考える利他の暮らしを心がけていきたいものです。

 自分中心に「若さ」にしがみついていても、「老い」は必ずやってくる。自分の体を大切にするのは、利他の暮らしをおくるためと心を変えていけば、「老い」が教えてくれるものの豊かさにも気が付いていくことでしょう。

◎今日の写真はカナダの西海岸の風景です。

 

不許葷酒入山・・・慈雲寺は大丈夫?

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 禅宗などのお寺へ行くと、山門の前に「不許葷酒入山門」と刻まれた大きな石碑が建てられていることが良くあります。

 僧侶の修行の妨げになるような酒や、香りが強く、精力が付くような食べ物(大蒜のことかしらん?)は、境内に入ることを許さないという意味です。

 慈雲寺には、そんな石碑はないですが、私はお酒はほとんど飲めないし、香辛料も苦手、ニラやニンニクも好んで食べるわけではないので大丈夫!と、思っていたのですが・・・・先月の暑さや、加齢によって舌の感覚が鈍くなったせいか、どうも不思議なことが起こっています。

 先日、朝食にスクランブルドエッグを作って、野菜ジュースを出そうと冷蔵庫を開けたら、数か月前に友人が置いて行ったタバスコが目に入りました。

 友人は激辛大好きで、レッドペッパーやタバスコは料理の必需品。「うちには香辛料はないよ。」と事前に知らせたら、タバスコやニンニク持参で遊びに来たのです。

 友人が置いていったタバスコは以来、冷蔵庫の片隅で無視されてきたというわけですが、なんと8月末の朝から猛暑の日・・・卵にタバスコをかけてみたい!という不思議な衝動。これがなかなか美味でした。自分でビックリ!

 このままでいくと、体質的にお酒は入ってこないでしょうが、「葷」は慈雲寺の山門内に入ってくるかもしれません。

 う~~ん・・・困ったことなのか、それとも新しい世界が開けるのか??

 香辛料が苦手で、東南アジアへの取材の仕事は断り続けていた私に、新しいフィールドが開けて来るということかも???

 これが、加齢による舌の感覚の劣化のせいだったら、素直に受け止めた方が良いかもしれませんね。

 さあ、明日の朝の卵料理は何にしましょうか?

◎今日の写真は大阪市立陶磁器博物館で見たヨーロッパの磁器です。

 



9月の慈雲寺の行事

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今年は、輪郭のくっきりした夏らしい雲がなかなか現れなかったなぁ・・・と思っていたら、今日は落日の直前に、とてもきれいな入道雲が湧き出していました。夏の最後のプレゼントでしょうか?

 さて、9月になりました。慈雲寺では毎月恒例になっている写経や法話の会のほか、どなたでもお気軽に参列していただきたいお彼岸の合同法要もいたします。

1)9月14日夜7時半より 満月写経・写仏の会

 慈雲寺では、毎月満月の夜にお月見を兼ねた写経の会を行っています。写経は初めてという方も歓迎いたします。必要な道具は全て用意してありますので、お気軽にご参加下さい。

 7時半から皆で『般若心経』を読誦し、毎回少しづつ心経の内容についても学びます。読経の時間に間に合わない方、もしくは早めに来てゆっくり写経したい方、どちらも結構ですので、ご都合のよろしい時間においで下さい。

 

 2)9月21日10時より お彼岸の合同法要

 お彼岸にご先祖の供養をしたいという方のための合同法要です。平服でお気軽にご参加下さい。法要は慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)の形式で行いますが、慈雲寺は皆さんのお寺ですので、宗派にかかわらずどなたでも歓迎いたします。

3) 9月22日 10時より 尼僧と学ぶやさしい仏教講座

 慈雲寺では毎月、身近な話題から仏教のものの考え方や見方についてご一緒に考える会を催しています。「講座」という名前はついていますが、どなたでもお気軽にご参加いただける内容です。

 9月のテーマはお彼岸にちなんで「お浄土(極楽)ってどんなとこ?」です。

「彼岸」・・・あちら岸とは何のことでしょう?お浄土やどうやってたどり着くのでしょうか?極楽を描いたと言われる「当麻曼荼羅」の写本も展示いたしますので、ご縁を結んで下さい。

4)毎週土曜・日曜朝7時半より 英会話早起き会

 週末の朝に少し早起きして、英会話の練習をしませんか?小学生からシニアの方まで、どなたでもお気軽にご参加いただけます。今は「NHK基礎英語1」を参考テキストに使っています。

5)月参り・祥月命日参りなどのご相談に応じます。

 ご先祖のご供養をしたいけれど、もともとの旦那寺とは縁が薄くなっている・・・という方などのが、お墓やお仏壇での読経、法事などを希望なさる時、ぜひ慈雲寺にご相談下さい。

 

◎慈雲寺の行事は、基本的に全て無料ですが、ご先祖の供養や慈雲寺の維持のために、お気持ちをご喜捨いただければ幸いです。

◎今日の写真は淡路島のあるレストランの窓から見た海です。

 

 

 

「いじめはダメ」だけでは、いじめはなくならない

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 今朝の新聞に元大リーガーの松井秀喜さんや元サッカー日本代表井原正巳さんらいじめ撲滅を訴える動画をYouTubeで発信。松井氏は「人をいじめるのは一番やっちゃいけないこと」、「一方的に弱いものをじめる、そんなダサいことはない」と語りかけているそうです。

 このブログにも何度か書きましたが、私は小学生の時に、かなりひどい暴力を含むいじめにあいました。当時のことは、実はあまりよく覚えていません。自分の心の中に、「忘れたいこと」として封印されているのではないかと思います。

 両親は担任の先生に訴えましたが、先生は「宮田さんが女の子らしく、おとなしくしていれば問題にならない」と一蹴されたそうです。そこで両親は速攻で転校を決意、当時の私の家の経済状態からするとかなりの負担だったはずですが、迅速にことをすすめてくれました。

 転校によって、状況は一転。私は学力の面では追いつくのに結構苦労した以外は、快適が生活に変わりました。この時の親の決断と行動には、今も深く感謝しています。

 しかし、いじめによる「傷」は、完全に癒えることはありません。今でも、時々かさぶたがはがれて、生傷が顔を出してしまうことがあります。

 先日も、母が「あの時はねぇ~~」と、なんだか武勇伝のように話し始めたので、「その話は聞きたくない!」とつい声を荒げてしまいました。自分の中で完全には解決がついていないのでしょう。

 僧侶としては、「被害者」としての自分のことばかりでなく、「加害者」だった少年も、いったい何を抱えてあのような行動に出たのか考えなければなりません。「いじめはダメ」だけでは、加害者側のかかえる闇や病を解決できないと思うからです。

 難しいなぁ・・・

◎今日の写真は北極海に浮かぶ島の夏景色です。氷塊が押し寄せて来て、もう夏も終わりです。

 

 

9月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は9月22日です、

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 今日は「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の日でした。過ごしやすい・・・というにはまだまだ暑い日でしたが、本堂の両側を開け放つと心地良い風が何度も通り過ぎていきました。

 今月の話題は「戒名」についてですが、私の思いが十分に整理できていなくて、わかりにくかったかもしれません。反省・・・

 さて、来月の講座は9月22日の日曜日に行います。お彼岸の最中ですので、「彼岸(お浄土)とはどんなところ?」をテーマにお話したいと思います。

 彼岸・・・向こう岸にはいったい何があるのでしょう?お浄土というのはどういう所なのでしょう?

 お浄土は一つではありません。ガンジス川の砂の数よりたくさんあるそうです。その中で、私のおすすめは「極楽」という浄土です。

 私は浄土系の僧侶として、極楽のすばらしさ、美しさをみなさんにお伝えし、極楽へ迎え取っていただけることを楽しみにしてもらえるように布教していかなければなりません。極楽行を楽しみに、穏やかに暮らしていくのが、浄土教徒の生き方だと思います。

 とは言っても・・・凡夫の悩みはつきないのですが。

◎今日の写真は奈良の薬師寺で見た美しい夏雲です。



葬儀の意義について改めて考える&尼僧と学ぶやさしい仏教講座のお知らせ

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 今週は東京へ行き、エンディング産業展のセミナーを受講してきました。この催しは、霊柩車からペット用の骨壺まで、葬儀に関連したさまざまな業者が参加する見本市です。

 二万人以上の人がやってくるそうで、僧侶らしい坊主頭の人もチラホラ。興味深いセミナーもたくさんあるので、日本へ戻ってから毎年参加しています。

 今回は、「宗教者の考えるこれからの葬送文化」というタイトルのパネルディスカッションがとても興味深かったです。

 パネリストは福音ルーテル教会の牧師、東本願寺の僧侶、そしてなんと幸福の科学の人も招かれていました。人選も面白かったし、幸福の科学の本はざっと目を通したことはありますが、実際の信者の話を聞くのは初めてだったので興味津々・・・

 まず、残念だったのは僧侶の参加が思ったより少なったこと、そして各宗教の人にファシリテーター真宗の僧侶)が「葬儀の意味や意義」を尋ねた時、僧侶の立場の人がなんとも情けない答えだったことです。

 ルーテル教会の牧師さんは「葬儀は礼拝。神に祈り、神の祝福を受ける場」と明確に位置付け、その説明もすっきり。さすがに、毎週礼拝のたびにお説教をする宗教家は違うなと思いました。ま、出てきた関野牧師はどうやらルーテル教会の若きエースのようでしたが・・・

 そして幸福の科学の人の説明は、なんとなく「浅いな」という印象だったし、妙にきらびやかの数珠(?)や。いろいろ折衷してデザインされた衣が気になってしまったのですが、「葬儀は魂と肉体を結ぶものを断ち、来世に旅立たせるために必要なもの」という、葬儀の信仰の中での位置づけな明確。

 しかし、本願寺の僧侶は「なぜ葬儀をするのか、なぜ葬儀が必要なのか」ということ明確な答えが出せずグダグダ・・・・

 では、私は「なぜ葬儀をするのか?」ということについて、明確にお話できるのか?と自分に問いかけてみると、なかなかうまくいきません。

 今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は8月25日(日)10時より行います。今回のテーマは、みなさんからご質問をしばしばいただく「戒名」についてです。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加下さい。

 戒名は仏弟子になった時に授けられる名前ですから、本来は生きている間に受けるべきものです。しかし、今は多くの人が葬儀の時に導師から授けられます。ですから、葬儀の意義と戒名は密接に結びついていると言って良いでしょう。

 今改めて、「葬儀とは何か?」、「葬儀に戒名(法名)は必要か?」と、自らに問いかけながら、日曜日の準備をしています。

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。
 ★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分に鳴子北駅からバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約50分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発と10時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません。

◎今日の写真は奥丹沢の渓流です。