慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

雨の彼岸会

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 今日はお彼岸のお中日。秋分の日です。昨日から激しい雨が続いていました。せっかく太陽が真東から出て真西に沈む特別な日なのに残念です。極楽は西にある「西方浄土」ですから、秋分の日、春分の日は、太陽が沈むところの彼方にお浄土があるのだなぁ・・・とイメージを膨らませることができるわけなのですが。

 お中日に、お彼岸の法要と「当麻曼荼羅」の簡単な解説をしますと皆さまにご案内していました。でも、あんなに激しい雨がふるのですから・・・今日は一人でお経をあげて御供養することになるのかな?と思っていました。

 しかし!なんと、10人ほどの方が集まってくださいました。とても嬉しく思いました。お位牌を持って来て下さった方もいらっしゃいます。お宅にお参りに行けない場合は、このようにお寺にお位牌をお持ちいただいて供養させていただくのも歓迎です。

 法要の後は、お彼岸の期間中、御開帳をしている『当麻曼荼羅』の前に移動していただき、絵解きをしながらお話ししました。

 『当麻曼荼羅』は、『観無量寿経』に説かれた物語を絵に表した変相図です。オリジナルは織物で、奈良の当麻寺に伝えられたものです。この当麻寺曼荼羅は、中国の浄土大成者である善導大師が『観無量寿経』を注釈した『観経疏』に基づいて描かれています。

 慈雲寺が属する浄土宗西山派西山浄土宗)の僧侶たちは、この『当麻曼荼羅』の複製をたくさん作り、それを使って布教をしてきました。私も、慈雲寺にせっかく『当麻曼荼羅』の複製があるのですから、これを使って布教をさせていただきたいと思い、昨年から御開帳をしています。

 まだまだ、「曼荼羅を駆使して」お説教をするという段階には遠いのですが、これからも少しずつ精進して、お念仏の教えを皆さまに受け止めやすくしていただけるようになりたいと願っています。

 「当麻曼荼羅」は25日まで御開帳していますので、ぜひご縁をいただいてください。拡大鏡も用意してありますので、お近くに寄って、極楽の詳細な描写をご覧ください。

◎今日の写真は、京都の寺町にある寅薬師さんです。気を付けていないと見落としてしまうような入り口ですが、寅年の人の守り本尊として信仰を集めています。