慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

金キラキキーンの仏様

 外はフンワリした雪が降っています。桶狭間で暮らし始めてから始めての雪です。地面に触れた途端にとけてしまう淡雪のあわれさがいいですね。

 今朝、新聞をひろげたら、いきなりキラキラした金色の仏様の姿が目に入りました。一面を全部使った広告です。先日のご近所のお寺の広告チラシに比べてもなかなかパワフルです。何かをお勧めする広告として、かなり手慣れたライターを雇っている感じ。ツボがしっかり押されています。たとえば、納骨料(まったく衒いなく「料金」としている)が来年1月に値上げ予定なことを強調し、急いで決めることを上手にあおっています。さらには、「好評につき、残り少なし」として、納骨のスペースや”良い場所”が少なくなっていることもさりげなく何度も強調されています。すぐに決断しなければ・・・と思わせるところがすごい!

 納骨堂の防犯や防火設備の充実を強調し、「永久に納骨場所の移動はありません」と書かれています。納骨される方々の不安にきめ細かくこたえているのですね。でも、すべてのものには「永久」などなく無常であるのは仏教の考え方の基本じゃないのかなぁ。なんか変な気持ち。

 ここは禅宗のお寺のようですが、車の安全祈願から厄除けの祈祷まで、多くの人が日々の暮らしの中で気になることにきめ細かく対応しているようです。うちのお寺は浄土宗の西山派(西山浄土宗)ですからご本尊は阿弥陀如来ですが、なぜか弘法大師様もお祀りされています。うちも、弘法大師の現世利益のパワーをみなさまにお知らせしなければと反省。

 広告の中でも圧巻は9mもあるという巨大な涅槃像。純金の金箔で輝いています。うちの阿弥陀様はすっかり金箔もとれて、ほぼ真っ黒な地味なお姿。私はこの地味さがありがたいと思うのですが、金キラキンにパワーを感じる方も多いかもしれませんね。東南アジアの仏様は金色に輝いているものも多いですからね。

 

 しかし、ぎっしりと納骨堂の「豪華絢爛」さを繰り返し語るこの広告・・・仏様の教えについてはほとんど語られていません。う~ん本当に豪華さと安心が結びつくのでしょうか?慈雲寺のありかたをも考えさせてくれるありがたい機会になる広告でした。

・今日の写真はスエーデンのマルモという町の青空です。

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