慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

「身施」のおかげで落ち葉がきれいに!(布施について 第3回)

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 数日お寺を離れて昨夜遅く帰山しました。今朝、門を開けたら門前や墓地の入口に松葉や楓の葉がいっぱい!「待ってたよ~!」と大歓迎してくれている感じ(??)さっそく落ち葉掃きを始めました。今日は少し暖かだから、少し掃いただけで体がポカポカしてきました。でも、けっこう大変だなぁ~と、ちょっと気持ちがウダウダし始めたときに、ご近所のYさんがおいでになりました。Yさんには日頃からとてもお世話になっています。

 別のお客様がおいでになったので、Yさんとお別れして、しばらくして門前に出てみると、なんと私が放り出していた箒でYさんが落ち葉掃きを続けてくださっているではありませんか!私よりずっと丁寧に(汗)

 Yさんは「身施」という布施行をしてくださっていたのです。「布施」はお寺への「料金」や「献金」ではなく、仏様の教えに従って、穏やかで安心に満ちた暮らしをするための修行のひとつ...というお話しを先月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」でさせていただきました。

 「身施」とは、無財の七施と呼ばれる、財物ではない布施の一つ。自分の身体を使って仏様や他の人々のためになることをすることです。Yさんには、身体だけではなく、思いやりの心、個人の時間など、多くの大切なものを施していただいたわけです。阿弥陀様もきっと喜ばれていることでしょう。もちろん私もニコニコです。

 身施は大がかりなものである必要はありません。ちょっとした心遣いで、自分の手足を動かしてほかの方の手助けをすることから始めてみませんか?身施は施した相手以上に、きっと自分の心がポカポカしてきますよ。

・今日の写真はカナダの州立オンタリオ博物館に所蔵されている阿弥陀如来像です。六世紀ごろに中国で作られたものだそうです。なんだかちょっと眠そうなお顔ですね。