慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

仏壇は何のためのもの?

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 先日、本屋さんでウロウロしていたら、「仏教の教科書」というタイトルのムック本を見かけました。仏教に興味を持った人の最初の一歩という感じの雑誌風本。イラストや写真がいっぱいで読みやすそう。「仏教ってなんですか?」という問いかけにやさしく答えているようです。値段も1000円。うまい!洋泉社という出版社には、なかなかするどい企画力のある編集者がいるようです。

 さっそく購入して読んでみると、「宗派によって仏壇と仏具に違いはあるのか?」という設問の答えは、「自宅で故人を偲び、供養するには仏壇と仏具が必要となる。」という言葉で始まっていました。うむ???

 確かに説明は平易ですが、仏壇の第一義は「故人を偲び、供養する」ためのものなのでしょうか?この説明には「仏壇」の本来の意味が説明されていないように思います。

 それぞれのお宅では仏壇に対する思いも色々で、本来は家族の絆の象徴である仏壇をめぐって家族がいがみあうという悲しいことも起きています。

 1月24日(土曜)の10時から、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の第三回を行います。テーマは「仏壇はなんのためのもの?」です。お仏壇とはなんなのか、あらためてご一緒に考えてみましょう。仏壇に祀られている仏様についてもご説明したいと思います。

 また、仏壇はお寺の本堂の荘厳のミニ版ともいえます。慈雲寺の本堂に祀られた仏様や高僧像の説明もいたします。

 お仏壇に祀られているご本尊の仏さまは、それぞれの宗派で違いがあります。慈雲寺は浄土宗の西山派(西山浄土宗)に属していますので、今回のお話しは浄土系の仏壇が中心となりますが、仏壇に関連した一般的なお話しもいたしますので、どの宗派の方でもぜひご参加ください。

・今日の写真は19世紀の半ば、ロシアのアレキサンダー二世皇帝がフィンランドの王族に送った嗅ぎタバコ用の小箱です。ロシアの権威を象徴するような豪華さですね。