慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

「もて服、愛され服」って哀しくないですか?

 

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今日は朝からなんだか空気がフンワリしている感じ。春が近づいているのですね。

 テレビでも春のファッションの話題が増えてきました。そこで良く耳にするようになったのが「愛され服」「もて服」という言葉。異性から愛される、異性にもてる・・・ということに焦点をあてたファッションなのですね。う~~ん・・・自分が好きな服ってわけじゃなくて、他人の目重視ってことなのでしょうか?

 今は頭はクリクリだし、僧侶の衣を着ていないときでも、基本は地味。ファッションやモードとは縁遠い暮らしですが、昔はファッション系の雑誌からお仕事をいただいていたことがあります。ですから、メディアで「もて系」「愛され系」というテーマを立てることは理解できます。また、自分の好きな色やスタイルが必ずしも客観的に似合うとは限らないので、「他人から見た評価」を重点においたファッションも、ま、ありですよね。

 でも、上から下まで、いつも「もてる」とか「愛される」とかいう他人からの評価を重視してるのって、ちょっと哀しいですよね。ま、就活スーツのように、「ちゃんとしてる」とか「しっかりしてる」という他人の評価最優先のファッションもあるけど・・・休日に着る服ぐらい、「私が好き!」を重視しても良いのでは?

 もう見かけなくなりましたが、以前、「ガングロ」とか「ヤマンバ」とかいう化粧やファッションが一部で流行ったことありましたね。もちろん、私の好みでもないし、「若かったらやってみたかった」わけでもないですが、あれは「自分がやりたい」が優先されているようで、興味深かったです。あのファッションで「もてる」とか「愛される」を求めてたわけじゃないでしょうからね。

 「自分探し」とか「自分らしく」という言葉は良く聞きますが、自分ってなんでしょう?過剰に肥大した自意識は自分を苦しめるだけです。でも、他人からの目や評価だけで「自分」を作ろうとするのもむなしいことです。

 慈雲寺の本堂で静かに座ってみませんか?自分とゆっくり向き合ってください。境内の雑草取りも「無心」になる練習にはもってこいですよ。

・今日の写真は、カナダのサンシャインコーストの海です。海辺で潮騒の音を聞くのも良いですね。春の海ならなおさらです。