今日は憲法記念日でした。私の一日は特別なこともなく、庭の雑草を取ったり、明後日の法事の用意をしたりで静かに過ぎていきました。でも、夕食が終わってホッとした気分になったとき、ふと思いついて日本国憲法を読んでみました。
私は大学は法学部で法哲学を専攻しました。と言っても恥ずかしいほど不勉強な学生でしたけれど・・・でも、専門分野が決まってから初めて憲法全文を通して読んだときの不思議な感動は何十年たっても心に残っています。9条はもちろんのことですが、とりわけ印象的だったのは前文の「平和的生存権」という言葉です。
『われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。』
自分の国だけではなく、「全世界の国民」が平和のうちに生きる権利を高らかに理想としてかかげた憲法を持つ国に生きていることを心から誇りに思います。
「軍隊を持ち、必要があれば外国に出て戦うのが“普通の国”だ」という議論を良く聞くようになりましたが、日本は70年前の凄惨な体験を通じて”普通ではない理想”を掲げたのです。この先人の思いを受けついでいく責任が今を生きる私たちにはあると思います。
慈雲寺では毎朝の勤行のときに「世の中が穏やかで、争いのない日々であること」を祈っています。
・今日の写真はスェーデンの小さなお城で出会った天使です。