慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「アイボ」に仏性はあるのか?! Part 1

 

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『月刊住職』という業界誌(??)を毎月愛読しています。仏教各派、また日本の仏教界全般が抱えるさまざまな問題(お寺の維持とか布教とか)をとりあげていて、毎号なかなか読み応えがあります。

 その雑誌の5月号の最初のページ。見出しは「アイボも成仏するや 日本仏教は有難し」でした。仏前に何体ものアイボが並べられ、僧侶が供養している写真が出ています。長年家族同然に(?!)愛玩してきたアイボがとうとう動かなくなったので、お葬式をして欲しいという希望者がたくさんいるそうなのです。

 お寺によっては針供養とか人形供養とかもするのですから、アイボ供養もあってもいいかも??でも、アイボの問題は「家族同様」とか「生きているペットと同じ」という持ち主の気持ちです。

 供養を引き受けた日蓮宗の僧侶は「あらゆるものにも仏性があるとする仏教からして納得できた」と語っています。う~~~ん・・・犬や猫に仏性を認めて供養するなら、アイボにも???戒名も授けるのでしょうかね???

 確かに「山川草木悉有仏性」という教えは、すべての生類には「仏性の種」があとするものです。でも、アイボは生類でしょうか?あ、山も川も生類かなぁ?

 ハイテクの粋を集めたアイボにも、仏性を求めてしまう日本人の思いは一概には否定できない気がします。仏性について、改めて考えさせられた一日でした。

・今日の写真はカナディアンロッキーのクロウフット氷河です。「カラスの足」という名前の通り、鳥の足のような三本の指に見える氷河でした。しかし、一番したの「指」は落下してしまったそうです。