慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「日常語訳」で読む『スッタニパータ』

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 先日、栄のブックオフへ行きました。ここは比較的規模が大きいので、良い本とめぐりあえることがしばしば・・・・今回の収穫は『スッタニパータ』の“日常語”訳版です。

『スッタニパータ』は『ダンマパタ』と並んで、最も古い仏教経典の一つです。短い文の中に心の中に直接響く素晴らしいお釈迦さまの教えが詰まっています。岩波書店から中村元先生が現代語に訳したものが出版されていますが、格調の高い分、読みにくいところもあります。先日私が入手したのは今枝由郎氏が新たに訳したものです。

 「日常語訳」と言われる本は初めてです。「日常語訳」という言葉も初めて目にしました。なかなか使い勝手の良さそうな言葉ですね。僧侶は経典に書かれたお釈迦様の言葉を「日常使う言葉で」皆さんに伝えるのも大切な役割です。この「日常語訳」に使われている言葉をじっくり研究して取り入れてみたいものです。

 当分の間はいつも身近に置いてランダムにページを開いて読んでいきたいと思います。今朝開いたページに書かれていたのは、

 

 人が「自分のもの」と考えるもの

 それは死とともに失われる。

 わたしの教えに従う者は、賢明にこの道理を知り

 「自分のもの」という考え方に執着してはならない

 

という、「老いの経」の一部です。

 恥ずかしながら、今、パソコンを使っている部屋はとても乱雑。私自身の「ものへの執着」を象徴しているみたいです。情けない・・・

・今日の写真はカナダのオタワで見た楓の若葉です。葉の一枚一枚が大人の手のひらよりも大きい!新緑の美しさにも迫力があります。