慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

仏像は本来金キラキン?!

☆今日の「お釈迦様のお言葉」

怒らず、恐れず、自慢せず

悔いることなく、適度に語り

興奮しない人

かれは、言葉を慎む聖者である。

『スッタニパータ』より

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慈雲寺の阿弥陀様はすっかり金箔がなくなり、長年お線香の煙にいぶされたためか(?)深い茶色で、なかなか趣があります。本当は修復して本来のお姿に戻して差し上げるべきなのでしょうが、金ピカよりも、今の方が良いように思えてなりません。

 しかし、仏像は本来金色に輝いているべきなのです。仏様のお姿には三十二相の優れた特徴があるとされています。白く清潔で歯並びの良い歯とか、青い蓮の花のような紺青色の目などがあげられていますが、そのうちの一つに「身金色相」というのがあります。全身が金色に輝いているというのです。仏像も、その三十二相を表すように作られているので、金色が基本です。

 タイなどに行くと、お参りにいらした方がお寺の売店で金箔を買い、仏像に張り付けてご供養しているのを見ることがあります。日本にはほとんどない供養の仕方ですね。日本では、もとの金箔が少しずつ薄くなり、お像全体が黒くなっていくのが良いと考える人がほとんどでしょう。仏像の修復をするときも、いったんは金色に塗り直した後、少し「汚れ」をかけて、わざわざ金キラキン感を薄める技術まであるほどです。

 慈雲寺の阿弥陀様は、もうしばらくは「渋い」お姿でいていただこうと思います。

●今日の写真は香港の萬佛寺で拝んだ金キラキンの千手観音さま。本当に千本の手があります。このお寺には金色に輝く仏さま、菩薩様、羅漢様たちがぎっしりと並んでいます。