慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

7月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は7月23日の10時より行います。テーマは「お盆の意義と作法」です。どなたでもお気軽にご参加くださいませ。

ご利益について考えてみました。(Part2)

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 世界の多くの宗教は「奇跡」、とりわけ病気直しの奇跡を重視します。キリスト教の聖書などにも、イエス・キリストが足の悪い人を直したり、重病人を回復させたりする場面が何度も出てきます。天理教などの新宗教が広まるきっかけも、教祖が病気を治す力を示すことが多いですね。もちろん、日本の仏教でも「病気平癒」の祈祷から交通事故のお守りまで様々なご現世利益は重要視されてきました。一方、浄土真宗のように、お守りなどをはじめとする現世利益を求める活動を一切「迷信」としてきっぱり拒否している宗派もあります。

 目の前に病で苦しむ人がいたら、祈祷という形で手を差し伸べたい気持ちはわかりますし、反対に現世利益を求めるのではなく、生き方の本質を考え直して心の苦しみから救われていくべきだとする考え方にも強く心を惹かれます。

 慈雲寺の属する西山浄土宗の宗祖法然上人は、「病気になってお念仏ができなくなったらどうしましょう?」という一般の人からの質問に、「病気をしっかり直してから念仏をとなえなさい。」とお答えになっています。「念仏は百万回称えたら治ります」とか「お寺で祈祷してもらいなさい」などとはおっしゃらず、「まずは治療を受け養生に専念しなさい」というところに、法然上人のお念仏への信念の強さが感じられますね。

●今日の写真は、ウズベキスタンのヒバという町で見た「ご利益のある井戸」です。この水を飲むと、夫婦和合や良縁に恵まれるとか。手が一瞬しびれるほど冷たくて、いかにもオアシスから湧いている水という感じでした。

 中央アジアに位置するウズベキスタンイスラム教徒の多い国です。長い間ソビエト連邦の一部でしたから、厳しい律を守る宗派のイスラム教徒は少ないようですが・・・。