慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

日本の立憲主義が死んだ日

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早朝、慈雲寺にお墓をお持ちのご家族から、ご尊父のご逝去の知らせを受けました。

急いで枕経を勤めさせていただき、いったんお寺にもどると、ちょうど安保法案が衆院特別委員会で可決されたというニュースが入って来ました。

 日本を代表する憲法学者のほとんどが違憲とする法案なのに、十分な審議も尽くさぬまま、議席の多さから採決を強行するということは、日本が立憲主義の民主国家であることを放棄することにほかならないでしょう。憲法を無視すれば、法治国家としての基盤があやうくなるのは当然のことで、国の基本が揺らいでは”愛国”も”国防”も無意味です。

 しかし、首相の強行な態度の背景になっているのは議席の多さでしょう。多数者の圧政は許されるせべきではありませんが、この状況を選んだのは私たち選挙民です。このことも忘れてはならないでしょう。最も有効な抗議は選挙だと思います。

 それにつけても、理解しにくいのは公明党の態度です。公明党の議員、そして議員を支えている人のほとんどは創価学会の信徒でしょう。慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)とは信仰のありようは違っても、同じ仏教徒のはず。その人たちが自民党にずるずると引きずられるように、戦争に向かう道に賛成したのはなぜなのでしょうか?

 将来、今日の日を振り返って、「あの日、自分は何をしていたのか?」と後悔しないでもすむことを祈る気持ちです。いえ、祈るだけではなく、仏教徒としてどう行動すべきか真剣に考えていきたいと思います。

●今日も猛暑でしたね。北極海の氷山の写真をお届けします。