慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

経済的貧困より、精神的貧困の方が深刻な問題

◎今日のお釈迦さまのお言葉

賢明な同伴者、あるいは

明敏な仲間が得られなければ

王が、征服した国を捨てて立ち去るように

犀の角のようにただ独り歩め。

 

今枝由郎訳 『スッタニパータ』

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インターネットのニュースを見ていたら、「低所得より怖い精神的な貧困」という記事が出ていました。ネットニュースなので、元の記事の全文を読めないのがもどかしいのですが・・・・今後、未婚のまま年を取る人が増えると、特に男性は孤立感を強める可能性が高くなるという指摘です。

 「カネが全て」とか「他人からの評価だけが生きる価値基準」という人は、本来歳を重ねることによって経験を深め、より充実するはずの人間性や智慧が豊かにならない。それによって孤立感も深刻になるというのです。

 お釈迦さまがお示しになった「法」(真理)を灯りとして、一人で歩むことを恐れず、自己の内面を豊かに育み、他の方のためになることを喜びをもって行っていく・・・これが仏教徒の生き方です。人々との交流やご縁を喜び、大切にする一方、一人でいるときも阿弥陀さまと共にあるという安心に包まれているのです。

 私は僧侶としては、全く良いとこ無しの出来損ないです(トホホ)。でも、「あの庵主さん、一人ぼっちなのにいつも機嫌良くしてて・・・やっぱり阿弥陀さまのおそばにいるからかなぁ」と言われると良いなぁ・・・あ、他人からの評価を気にしちゃった!

 内面を豊かにするには、自然に親しみ、生きることの意味をじっくり考えようとするのがスターティングポイントでしょう。散歩の途中でお寺で一休みすることから始めてみていかがでしょう。

 本堂には冷たいお茶と塩分補給用のキャンデーを用意してありますよ。熱中症予防に一休みはいかがですか?

●今日の写真は北極海クルーズ船の前に現れたセイウチの群れ