慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

大画面より本物を見て!

◎今日のお釈迦さまのお言葉

すでに得たものを捨て去り、固執せず

知識に頼ってはならない。

さまざまな異なった見解のいずれにも盲従せず

いかなる教えも妄信してはならない

 

今枝由郎訳 『スッタニパータ』より

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私は動物園や水族館が大好きです。ロンドン動物園が存続の危機に瀕した時、ニューズウィークの取材でロンドンやチェスターの動物園を取材して以来、野生動物の保護などのプラス面と、動物を「閉じ込めて見世物にする」というマイナス面の両方のバランスをどう保つのかに関心があります。

 昨日は名古屋水族館に行ってきました。夏休みの間だけ、夜間にもイルカのショーをやっていると聞いたからです。日が落ちれば海風もやわらかくて、ライトアップされたプールもなかなか綺麗です。イルカたちも良く訓練されていて、ショーとしては楽しいものでした。

 しかし、途中からなんとなく違和感・・・・観客席の正面には巨大なスクリーンがあって、イルカの演技が大きく映し出されています。大きな観客席ですから、隅々の人たちまでショーが良く見えるようにとの演出でしょう。水中にもカメラが設置されていて、水面に飛び出す直前のイルカの姿なども見応えがありました。

 でも、その画面に何度も何度も、演技のリプレーが映し出されるのです。違和感の原因はどうやらそれらしい。イルカが水中を泳いで次の演技に移るまでの間を埋めるためなのでしょうか?何度も、ジャンプやダンスなどの演技が再現されるのです。

 昨夜、一緒に行った友人の子供はカメラを画面に向けて一生懸命写真を撮っていました。センターステージからちょっと離れたところに座っていたので、現物のイルカを見るより、画面を見ている方が見やすいし、写真も撮りやすいということなのでしょうか?私の前の列に座っていた家族も、ほとんどプールの中を泳ぐ本物を見ないで、画面に顔を向けていました。

 ショーの演出の一つとして画面を使うのは仕方がないかもしれませんが、せっかく水族館まで出かけたのですから、テレビと同じものを見ても仕方がないと思うのですが・・・・写真を撮ることばかりに気を取られるのも考えものですね。生きたイルカの動きを目で追う・・・追い切れないのも大切な経験。プロのカメラマンがベストなアングルでとらえたものばかりを見ても、本当に見たことにはならないと思うのです。う~~ん・・・・それを言うと、イルカのショー自体が「偽物」(イルカの自然な動きではない)ってことになってしまうのですが・・・

●今日の写真は名古屋港水族館で見たクラゲです。スピーディなイルカの動きも良いですが、ゆったりしたクラゲの動きも見飽きません。