◎今日のお釈迦さまのお言葉
この世の富も、あの世のいかなる富も
天上界のいかなる宝も
安らぎに達した人に並ぶものはない。
このすぐれた宝はブッダ[仏]の内にある。
この道理を理解した人に、幸いあれ。
今枝由郎訳 『スッタニパータ』より
慈雲寺には規模は小さいですが墓地があります。今年は三年ごとにお願いしている管理費の納入時期にあたります。事務処理が大の苦手で、てきぱきとお願いの手紙を出さず、皆さまにご心配いただきました。先日、ようやくお願いの手紙を発送したら、即座に振込をしてくださる方がたくさん!本当にありがたく思っています。
ところで、今日、ある方からお電話をいただきました。「もう、そこにあるお墓はいらないので、管理費は払いません。」とのことでした。いわゆる「墓仕舞い」をしたいというご希望のようです。
一般的に「墓仕舞い」をするということは、墓地のあるお寺の檀家をやめるということですから、いろいろと手続きも複雑なようですし、なかなかスムースにいかないという話も良く聞きます。
しかし、慈雲寺ではそれぞれの方のご事情もあると思い、できるだけスムースに手続きをするようにしたいと考えています。しかし、先日のお電話の方に「わかりました。では墓石を撤去して、お骨を適切に扱い、墓地を元の状態に戻してください。」と申し上げると、とても驚かれた様子です。どうやら、お墓をそのまま放棄するおつもりだったようです。私の方も深く驚き、とても哀しい気持ちになりました。
それぞれのお寺で手続きは違うと思いますが、慈雲寺では以下のように考えています。
1)墓地を「持って」いる方は永代の使用権を保持していますが、土地の所有権は慈雲寺にあります。墓仕舞いをなさる方は、一般の借地と同じように元の状態に戻してお返しくださいませ。
2)そのためには、墓石を撤去し、お骨を適切に保管する方法を考えてください。
3)永代使用権を放棄すること(墓仕舞いをすること)を文章で明記したものを慈雲寺宛てにお出しください。
でも、どうぞ一度慈雲寺に来て、お気持ちを話してください。ご先祖のお墓を「放棄」する気持ちになられたご事情をどうかお話しください。墓仕舞いは人の心に様々な影響を及ぼすものと思います。ゆっくりお話ししたうえで、手続きを始めてはいかがでしょう。
●今日の写真は北極海のセイウチの群れです。