慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「墓仕舞い」の手順について (PART 1)

◎今日のお釈迦さまのお言葉

この世の富も、あの世のいかなる富も

天上界のいかなる宝も

安らぎに達した人に並ぶものはない。

このすぐれた宝はブッダ[仏]の内にある。

この道理を理解した人に、幸いあれ。

 

今枝由郎訳 『スッタニパータ』より

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 慈雲寺には規模は小さいですが墓地があります。今年は三年ごとにお願いしている管理費の納入時期にあたります。事務処理が大の苦手で、てきぱきとお願いの手紙を出さず、皆さまにご心配いただきました。先日、ようやくお願いの手紙を発送したら、即座に振込をしてくださる方がたくさん!本当にありがたく思っています。

 ところで、今日、ある方からお電話をいただきました。「もう、そこにあるお墓はいらないので、管理費は払いません。」とのことでした。いわゆる「墓仕舞い」をしたいというご希望のようです。

 一般的に「墓仕舞い」をするということは、墓地のあるお寺の檀家をやめるということですから、いろいろと手続きも複雑なようですし、なかなかスムースにいかないという話も良く聞きます。

 しかし、慈雲寺ではそれぞれの方のご事情もあると思い、できるだけスムースに手続きをするようにしたいと考えています。しかし、先日のお電話の方に「わかりました。では墓石を撤去して、お骨を適切に扱い、墓地を元の状態に戻してください。」と申し上げると、とても驚かれた様子です。どうやら、お墓をそのまま放棄するおつもりだったようです。私の方も深く驚き、とても哀しい気持ちになりました。

 それぞれのお寺で手続きは違うと思いますが、慈雲寺では以下のように考えています。

1)墓地を「持って」いる方は永代の使用権を保持していますが、土地の所有権は慈雲寺にあります。墓仕舞いをなさる方は、一般の借地と同じように元の状態に戻してお返しくださいませ。

2)そのためには、墓石を撤去し、お骨を適切に保管する方法を考えてください。

3)永代使用権を放棄すること(墓仕舞いをすること)を文章で明記したものを慈雲寺宛てにお出しください。

 

 でも、どうぞ一度慈雲寺に来て、お気持ちを話してください。ご先祖のお墓を「放棄」する気持ちになられたご事情をどうかお話しください。墓仕舞いは人の心に様々な影響を及ぼすものと思います。ゆっくりお話ししたうえで、手続きを始めてはいかがでしょう。

●今日の写真は北極海のセイウチの群れです。