慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

晩夏の蚊

◎今日のお釈迦さまのお言葉

他人に教えを乞うには

神々がインドラ神を敬うようにすべきである。

学識ある師は、尊敬されれば

喜んで真理を教える。

 

今枝由郎訳 『スッタニパータ』より

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 立秋を過ぎていますから、晩夏というより初秋というべきでしょうか?朝晩は涼しくなりましたが、太陽が顔を出せば一挙に気温があがります。

 こんな時期はかえって蚊がたくさん出てくるようです。今日も本堂で宿題をしていた子供たちが、しきりに腕を掻いたりしていました。

 この時期に人間の血を求めて飛ぶ蚊は、なんだか哀れですね。吸血するのは、産卵するため。ですから妊娠しているメスが人間や動物に近づくのだそうです。普段は花の蜜や果物の汁を吸っているのですから、蚊も子孫を残すのに必死なのですね。なんだか、私の血でよければどうぞ・・・と言いたくなってしまいます。

 でも・・・やっぱり蚊取り線香に火をつけてしまいますよね。

 仏教では命を奪うことを厳しく戒めています。特に仏教の教えを聴き、悟りへの道を歩む可能性のある人間、天人、龍の命を奪ってはならないのです。しかし、蚊の命も命です。人間にとって迷惑だからといって、殺して良いということにはなりません。しかし、私たちは多くの命をいただいたり、奪ったりしなければ生きていられません。ときにはこのことをじっくり考えてみたいものです。

●今日の写真はインドのケララ州にあるホテルの入口におかれた活花(?)です。慈雲寺のハイビスカスもきれいに咲いています。