慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、10月29日(日曜)10時より行います。テーマは「末法の時代に生きる」です。どなたでもお気軽にご参加ください。

他を貶めても自分があがるわけじゃない。

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 私は“好きなこと”、“楽しみなこと”がたくさんあります。「人を褒める」のもその一つ。私は旅行ライターを生業としています(僧侶は職業ではなく、修行、生き方の形態です。くわしくは過去の記事をご覧ください)が、旅行ライターはさまざまな場所を訪れ、その魅力を探して「ぜひここを訪れてください!」と読者に勧めるのが仕事です。ですから、どんな場所でも、まず良いところ、おすすめしたいところを探します。一見、観光地としては魅力がなくても、「こんな角度から見るとおもしろい!」と無理やり(?)にでもおすすめポイントを見つけるのです。

 ですから、人の魅力、長所を見つけるのもプロ!どんな人にも興味を引かれますし、面白いところ、魅力的なところを見つけるのは楽しいものです。難しいのは、それをどう相手に伝えるかです。私が長年住んだカナダの人は、ともかく相手を褒めるのがお約束。相手が心地よくなるコメントを挨拶の中に必ず入れます。追従やごますりとは違う、コミュニケーションの一つです。

 日本に帰って少しビックリしたのは、日本の人は悪口はどんどん出てくるのに、なかなか褒めませんね。誰かをくさしたり、貶めたりするのが大好きなのでしょうか?まるで、だれかを貶めれば、自分の価値が上がると思っているのでは?という人も少なくありません。う~~ん・・・たとえ誰かに欠点や弱点があっても、それを指摘した人の価値が上がるわけではないのに・・・

 

 13日の日曜日の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは「大乗仏教の歴史入門」です。慈雲寺の属する西山浄土宗は、お釈迦さまのインドから、中央アジア、中国、日本に伝えられた大乗仏教の宗派の一つです。大乗とは「全ての人を救う大きな乗り物」の意味ですが、それと対になった言葉に「小乗仏教」というのがあります。これは、インドからセイロンを経てタイなどのアジアに広がっている南伝仏教を指す言葉です。しかし、これは大乗仏教側が、「出家者個人が悟りを得る」ことを中心とした出家主義の教えを貶めて「小さい乗り物」と言っているので、適切な言葉とは言えません。上座部仏教とかテーラワーダ仏教という言葉を使うのが穏当でしょう。

 自分たちを「大乗」と誇り、他を「小乗」と貶めても意味がありません。お釈迦さまは対機説法といって、お説教を聴く人の能力や状況に合わせて、さまざまな説き方をなさったそうです。ですから、お釈迦さまのお言葉を集めた経典はたくさんありますし、それぞれの宗派で重要視する経典は違っても、お釈迦さまのお説きになった法(真理)に変わりはありません。

 まぁ、もちろん西山浄土宗を信仰する私としては、南無阿弥陀仏の教えにできるだけ多くの方がご縁を結んでくださると良いなぁとは思っているのですが。

  13日のお話しの会はどなたでも歓迎いたします。慈雲寺へのアクセスは、このブログの左欄にある「ブログ内検索」で「アクセス」と検索してください。駐車場が少ないので、公共交通をご利用いただければ有難いです。

◎今日の写真はカナダのケベック州の小さな町で見た菊の花壇(?)です。