慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

新幹線で聞こえた百人一首の歌

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 今日は所用で新幹線に乗りました。もうお正月の帰省ラッシュは終わったかと思っていたのですが、甘かった!会社やお役所は 昨日から仕事始めだったでしょうが、学校は今週末までお休みでしたね。そのせいか、今日の新幹線はお子様を連れたお母さんでいっぱいでした。

 私の横の3人席には、小学生の低学年の男の子、幼稚園の女の子、そして二歳ぐらいの男の子、そして外国旅行に行く様な巨大なトランクを持ったお母さんが乗っていました。通路を挟んでいるとはいえ、これはかなり厳しいたびになると私は覚悟を決めました。私の前に座った中国の方は携帯電話でずーっと話し続けています。大学で中国語を2年間ならったのに、「携帯電話はデッキで使ってください」と言えない自分がなさけない!と、さらに悲しくなっていました。

 すると、なんとお隣の席から、たおやかな和歌が聞こえてくるではありませんか!どうやら、百人一首の暗記が小学生の冬休みの宿題になっているらしい。お母さんがひとつひとつ丁寧に意味を説明して、暗記の手助けをしています。

 歌を詠むお母さんの声がやさしげで、最初は騒いでいた幼児も静かになりました。3人の子供たちはいかにも、親に愛されている感じで落ち着いています。昨日の「怒声おじさん」も、こんな母親に育てられれば、少しは違った人生になったのかも?

 小学校の低学年から百人一首に触れるのは、英会話を教えるよりずっと良いとおもいます。母国語が豊かで表現力があるほど、外国語の習得も深みが増すはずだからです。

ぺらぺらとしゃべれなくても、内容が濃く、正直に話す人の方が効果的な交流ができるはずです。

 優れた母親に育てられている三人の子供たちは幸せそう。そして、そのような人が三人子供を生んでくれたということは日本にとっても幸いです。子育てがしやすい環境を整えるのは、家族だけでなく、地域社会全体の責任でしょう。当然、寺院も含めて。

 慈雲寺はいつも子供の声のするお寺でありたいものです。

◎今日の写真はスエーデンでみたユルキャラ。ムーミンの親戚でしょうか?