慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

常楽寺の退山式へ

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 半田に常楽寺という大きなお寺があります。慈雲寺と同じ浄土宗西山派西山浄土宗)に属しています。知多半島には西山派の寺院がたくさんありますが、そのほとんどが15世紀以来、常楽寺で修行をした僧侶によって支えられてきました。

 今日はその方丈様(住職)の満空是周上人の退山式でした。是周上人は20年以上にわたって、常楽寺の住職を勤められましたが、今回住職を照空是空上人にお譲りになったのです。

 今は、自分の息子にお寺を継がせるところが多くなっていますが、常楽寺では、今も弟子の中から特に優れた人が選ばれて後を継ぎます。常楽寺と直接関係のある寺院は、特定の家族が引き継いでいくのではなく、常楽寺の住職が変わると関係寺院の住職も変わっていくのです。常楽寺には、若い修行僧がおり、今日のような大きな法要の時は、関係寺院の若い僧侶たちが手伝いにかけつけます。

 私も昨夜から常楽寺へ行き、最後のお掃除のお手伝いを少し。お寺の近くのビジネスホテルに泊まって、今朝早く常楽寺へ戻りました。常楽寺は知多四国八十八カ所の札所の一つですから、法要の間も納経にいらっしゃる方がいます。今日の私の役割は納経所のご朱印係でした。

 若い僧侶たちがきびきびと忙しそうに働いている中で、私独り、のんびりと納経所にいました。是周上人が山門を出られるときも遠くからお見送り。

 上人にはとても可愛がっていただき、さまざまなことで教えを受けました。ゆっくりと思い出しながらお見送りができて、少しさみしいけれど、良い一日になりました。

◎今日の写真はアメリカのデンバー美術館でみたバスケットです。イヌイットの人がクジラの骨で作ったシロクマが蓋のつまみになっています。