慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

侮れない言霊のパワー

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 言霊(ことだま)信仰は、古代から現代まで私たち日本人の心に脈々と受け継がれてきました。言葉を声に出して正確に発音すると、それがさまざまな事象に影響を与えるという信仰です。良い言葉を発すれば、現実にも良いことが起こり、悪いこと言葉を発すれば悪いことが起きる・・・不吉なことを言えば、それが現実となり、美しい言葉や喜びの言葉を発すれば、それが現実の現象に強く働きかけると信じられていたのです。

 例えば、結婚式のときに「切れる」「割れる」「別れる」などという言葉を使わないように気を付けるというのも言霊信仰の一つと言って良いでしょう。

 言葉にパワーが宿っているとういう信仰は神道に限らず、世界中の宗教に現れている考え方です。真言密教も「真言を正確に発音することによって、仏のパワーが現れる」と考えています。

 言葉を発すれば、誰よりもまず自分がその言葉を聞くのですから、言葉のパワーを一番受けるのは自分自身です。人の悪口、怒りの言葉、そして何より愚痴・・・・マイナスの言葉を自分に言い聞かせ続ければ、当然自分の心を苦しめ、弱らせていきます。

 愚痴を言っている人は、姿勢も悪くなり、体全体が委縮していることが多いですね。愚痴を言うたびに、心は傷ついていくのです。

 そんなときは、まず深呼吸してネガティブな言葉を止めましょう。どんな愚痴の言霊もスルリと消す薬のような言葉がありますよ。

 それは「ありがとう」です!

 感謝したいことをできるだけたくさん思い出してみましょう。

 空が青いことも、梅の花がきれいに咲いているのに気が付いたことも、ご近所の子供たちが笑顔であいさつしてくれたことも、みんな「ありがとう!」です。

 声に出して感謝を表現してみましょう。きっと背筋をのばし、腕を大きく広げてみたくなりますよ。

◎今日の写真はフクジュソウです。なんだか、もうフクジュソウの季節は終わっているような気がしたのですが、お日様の光をたっぷり受けて元気に咲いていました。