慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

民生委員の役割にもっと理解とサポートを!(家族による介護にサポートシステムの整備を Part3)

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  介護の問題を考えるとき、忘れてならないのは、地域の福祉にとって極めて重要な役割をはたしている「民生委員」の存在です。

 お恥ずかしい話ですが、私は日本の民生委員というのが、どういう役割を担っているのか、ほとんど何も知りませんでした。しかし、数年前、京都府のある町で、私と同じ浄土宗西山派西山浄土宗)に属する僧侶の方から頼まれて、その地域の民生委員の方々の勉強会でカナダにおける福祉のお話しをさせていただいたことがあります。私はカナダにいるとき、日系人のシニアセンターでボランティアをしていたことがあるので、ほんの概略だけですがお話しさせていただきました。

 その時、集まった方々の経験をうかがって、ようやく日本での民生委員の役割の重要さに気付かされたのです。

 日本での民生委員は、地域の人々の生活状態を把握し、援助が必要な人にさまざまな福祉サービスの情報を伝え、その橋渡しをするという、地域になくてはならないものです。生活保護から子供の虐待、老人の介護問題まで、幅広い状況に目を配らなければならず、その責任は軽くはありません。

 しかし、民生委員の人々の活動は交通費程度のものは出るにしても、ほぼボランティアで行われているのです。地域住民が心をあわせて民生委員の方々の活動を理解し、サポートしていかなければならないでしょう。そうすることで、その地域に住む人々皆が心地よく暮らしていくことができるようになるはずです。

 民生委員の任期は3年ですが、なかなか後継者を見つけられない状況にあると聞きました。けして楽な役割ではないでしょうが、地域に貢献する努力は、必ず人の心を豊かにしていくはずです。ものやお金では得ることのできない貴重な経験です。

 慈雲寺もできる限り地域の「役にたつ」お寺でありたいと願っています。ご希望やアイディアをぜひお聞かせください。

◎今日の写真は、19世紀の終わりにイエズス会の修道士たちがエクアドルに建てた修道院兼病院の写真です。