慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

仏教にもある「安息日」 六斎日について

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 日曜日を休日にするという習慣は、キリスト教の安息日の教えから来ていることは良く知られています。聖書によれば、神は六日間で世界を創造し、七日目に休息をとったことから、七日毎に「安息日」を設け、仕事や世俗的な営みを休んで、教会へ行き、信仰を中心にした静かな日をおくるという教えがあります。これはユダヤ教でもイスラム教でも同じです。ただし、ユダヤ教では土曜日、イスラム教では金曜日が特別な聖なる日とされているのです。

 実は仏教にも似たような「安息日」があります。月齢の暦で新月と満月の日、その間の各一日の月6回やってくるので、六斎日(ろくさいにち)と呼ばれています。具体的には陰暦の8日、14日、15日、23日、29日、30日です。この六斎日には、いつも仏教徒が守る信仰の基本である五戒に加えて、「正午を過ぎてから食事をしない」、「化粧や装飾品などで身を飾らず、歌舞音曲などを楽しむのを慎む」、「大きくて立派な寝台など、贅沢な品を使用しない」という三つの戒めを加えて行動を慎むことが勧められています。

 日常生活からいったん離れ、お寺に行って仏様やご先祖さまを供養し、僧侶から法話を聴くなどして、心身を安息させるのが六斎日の理想的な過ごし方です。

もちろん現代のカレンダーの休日とは合わないことが多いので、六斎日を守るのは簡単ではないでしょうが、心の中にとめておいてお墓参りの日と合わせたりしてはどうでしょうか?

 旧暦が入っている日めくりカレンダーが一つあると便利ですね。

 月に6回、心身をゆったりと休めて、心の豊かに育む日をぜひ作ってみてください。

◎今日の写真は徳川園で見た寒牡丹です。島大臣という種類です。蘇我入鹿は「島大臣」と呼ばれていたそうですが、このボタンのネーミングもそれに関係しているのかな?