慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今夜は「ぶっちゃけ寺」を見てました。

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 「ぶっちゃけ寺」というテレビ番組を見てみました。慈雲寺には二台テレビがあるのですが、ニュースを見るぐらいで、あまり活躍していません。インターネットでアメリカのテレビ番組を見てはいるのですが・・・・

 でも、この頃あちこちで「庵主さま、ぶっちゃけ寺で言ってたけど」という人がいるので、一度見てみることにしました。う~~ん・・・・私はどんな形でも、仏教がテーマとして取り上げられることは良いことだと思っています。仏教をテーマにしたバラエティが番組と成立するということは、どのような形であれ、関心が存在するということですから、これはポジティブに受け止めるべきだと思いました。

 しかし、お布施の「値段」とか、僧侶の「収入」とかいう、気になる話題を取り上げておきながら、どうも未消化。50人も僧侶を集めたのに、編集の仕方がいかにもお粗末でした。「テレビ的」にあまり面白い発言をする僧侶がいなかったのかしらん?スター性やカリスマ性のある僧侶がまだ出ていない?

 それにしても、興味深かったのは、「お寺は金持ち」というのが「一般常識」として紹介されたことです。全国的に見ると、葬儀や法事、お賽銭などだけで、寺の維持、補修ができ、住職とその家族を養うに十分な収入がある寺院は、日本全国でわずかに約30%と言われています。大半の僧侶は教師や役所勤めなどと兼業なのです。 

 私も先代様の弟子にしていただくとき、「あなたに十分な給料を渡せるほど、この寺には収入が無い。自分の食い扶持は自分で稼げますか?」と聞かれました。以来慈雲寺も兼業寺院。できるだけお寺にいながら、「食い扶持」を得る方法を模索中です。

 僧侶にとっては、貧しいことは恥ずかしいことではありません。堂々と(?)質素に暮らせることが僧侶の「特権」です。髪の毛を剃っているのも、もとはと言えば宗教的な理由ではなく、一番清潔で安上がりな方法だったからです。

 あなたの周辺でも、質素に暮らす小さなお寺のお坊さんはいませんか?そんなお寺のお坊さんと仲良くなってみると、きっと「ぶっちゃけ寺」より面白いですよ。

◎今日の写真はオランダの空港で見た車椅子です。大きな空港の中を歩くのはなかなか大変なので、こんな風に気軽に使える車椅子が用意されてあるといいですね。