慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

目の前にそびえていても富士山が見えないこともある!

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 今日は少々事情があって、車で東京へ行き、すぐに新幹線でお寺に戻るという「とんぼ返り」を実践してしまいました。

 どうせ走るなら新東名高速の、二月にオープンしたばかりの部分を走ってみることにしました。この新しいルートは現在の東名高速よりも山よりを通っていますから、富士山により近くなるはず。たっぷり富士山を眺めたいと楽しみにしていました・・・・しかし!静岡県に入ると空はどんより。なんだか霧のようなものまでモクモク・・・富士川を渡って目の前にドーンと富士山が現れるはずの場所は、一面の曇り空でした。多少天気が悪くても、すぐ近くを通るのですから、シルエットぐらいは見えると思ったのに・・・残念。

 手を伸ばせば触れそうなほど近くに巨大な山がそびえていても、全く見えないこともあるのですね。阿弥陀様もこんな感じかしら?阿弥陀様は私たち全てを救うとお誓いになって、必要な修行も懺悔も何もかも私たちに代わってしてくださいました。信仰心ですら阿弥陀様の方でご用意くださっているのに・・・・私たちを救おうと追いかけまわしていてくださるのに・・・・

 見えないときには見えない富士山のように、ご縁が熟さなければ阿弥陀様に気付かぬままに苦しみの世界に生きていかなければならないのでしょうか?あみださまの深いお慈悲と私たちへの思いについて、しっかり聞かせてもらえば、厚い雲もカラリと晴れて山の全容が見えてくるでしょう。阿弥陀様の思いに気付くことこそが、私たちが苦しみ少なく、穏やかに暮らす生き方の第一歩なのです。

 本当に富士山なんてあるのかしら?と思える日こそ、ますます阿弥陀様への信仰を深めるチャンスなのです。

◎今日の写真は香港の排頭村の家並みです。高層ビルが立ち並ぶ香港にも、こんなのどかな村が残っています。