慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「極楽の余り風」が吹き抜ける慈雲寺の本堂

 

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今日は今年初の「真夏日」になりました。でも、湿度が低いせいか、軒の深い本堂の中は気持ちの良い風が吹き抜けて行きます。こんな風に心地の良い涼風を「極楽の余り風」という言い方がありますね。落語の中などに出てくる言葉ですが、本当に今日のような日の風は極楽から吹いてきたようです。

 慈雲寺では本堂の入口にいつもお茶を用意しています。昨日まで、「今日は暖かいお茶にしようか、冷たい麦茶にしようかしら?」と迷っていました。でも、明日からは毎日冷たい麦茶を用意することにします。

 お参りやお墓参りの時に、ぜひご遠慮なくお茶で水分補給をなさってください。

 慈雲寺は明治の中期に建てられました。今もお隣で医院をなさっている相羽家のご先祖がスポンサーとなって建立されたのです。相羽家は尾張藩御典医で、明治になってからも皮膚科の権威として大繁盛したお医者さまです。その方が浄土宗西山派西山浄土宗)に帰依して寺院を建立なさったのです。

 このお寺を建てた大工さんは、当時日本でも指折りの匠だった小野田又蔵です。慈雲寺は小野田の最高傑作のひとつと言えるでしょう。

 規模は小さいですが、すみずみにまで贅沢な建て方をされています。どっしりとした屋根もその一つ。夏はこの屋根のせいで本堂内が涼しい!戸を開ければ風が吹き抜けていきます。正に極楽から直接吹いてきたように心地良い風です。

 この風を感じながら、お昼寝はいかがですか?先代様も夏には本堂で良くお昼寝をしていらしたそうです。阿弥陀様のお慈悲に包まれてちょっとひと眠りはいかがですか?どうぞ、お気軽に本堂におあがりになってお参りしてください。

◎今日の写真は慈雲寺の雪景色。ちょっと涼んでください。