7月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは「お盆の迎え方」です。と、いってもお盆に関するさまざまな宗教的な習慣は、その家、その土地で違いますから、まだまだ知らないことがいっぱいです。
慈雲寺のある桶狭間周辺では、8月の6日にお墓にお参りして掃除をし、スイカを食べるのがお約束。東京育ちの私はスイカのことは聞いたこともありませんでした!
さて、犬山市の寂光院は紅葉の素晴らしさで有名な古刹です。ここのご住職松平實胤上人は布教にもとても熱心なかたのようで、毎月の法話会をもう数十年続けていらっしゃるそうです。今月のテーマは、お盆やお施餓鬼などの夏のお寺の行事についてでした。さっそく私も聴きに出かけました。
上人のお話しは知的な好奇心を心地よく刺激してくれました。日本独特の「御霊信仰」と仏教とが結びついて、ユニークな「お盆」の宗教慣習が生まれたことをとてもわかりやすく説明してくださいました。
特に印象的だったのは、お盆の間は精霊棚の前に縁者があつまり、帰ってきたご先祖と一緒に食事をし、一緒に語り合うことが大切。僧侶による棚経は、「その家のご先祖に対する表敬訪問のようなもの」という言葉でした。精霊棚の前で、縁者が語り合うことの大切さは、ぜひ17日の慈雲寺でもお話しさせていただこうと思いました。
昨日はまさに真夏!という感じの暑い日でしたが、寂光院の境内に入った途端、深い緑と渓流から吹いてくる風が本当にさわやかでした。昭和天皇がお褒めになられたという木曽川の風景も美しかったし、そこに流れ込む不老の滝もとっても涼しげ。ちょっと前にはやったマイナスイオンの効能を思い出してしまいました。