慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

銀細工師が銀食器を磨くように心を磨く

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  私は僧侶としては恥ずかしいほどの怠け者ですが、銀食器磨きは大好きです。うっすらと曇りの出た食器を磨き粉を付けてキュッキュッと磨くと、アッと言う間に輝きを取り戻します。結果がとても明らかなのが良いですね。日本に戻ってからは、銀食器を使う用事もないですが、代わりに仏器を磨いています。残念ながら、仏器は銀製品のようにピカピカになるものは少ないので、ちょっと満足度が低いですが・・・

 法句経というお経には「聡明な人は、順次に少しずつ、その都度、その都度、自分の汚れを除くことだ。銀細工師が銀の汚れを除くように」というお釈迦さまのお言葉が書かれています。

 銀食器の汚れや曇りは、知らず知らずのうちに広がっています。家の中の汚れも同じです。銀細工師が小まめに作品を磨き上げるように、心の汚れも小まめに落として磨き上げることが大事だという教えです。自室の汚れは心の中の状況を表しているとか・・・散らかり放題になってしまうと片付けるのも大変ですが、こまめに掃除をすればそれが習慣になって、部屋はいつもきれいになるのです。

 う~ん・・・・銀食器でも細かい細工がぎっしり施されているものは、なかなか磨くのが大変です。シンプルなデザインのものを選べば、きれいに保つのも容易になるでしょう。部屋も同じですね。物がたくさんある部屋を片付けるのは大変です。以前流行った「断捨離」ではないですが、自分の周辺からいらないものを除いて行く方が、ずっと易しいかもしれませんね。

◎今日の写真は、カナダ第一の都市、トロントダウンタウンオンタリオ湖の湖上から眺めたところです。