慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

数十年ぶりに論文を書く!?Part 1

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 軽率に「ハイ」と応えてしまったばかりに、少々追いつめられています。僧侶は自分の属する宗門の教えについてや仏教全般についての勉学を常に怠ってはならないというのが基本です。それは僧侶としての修行の大切な一部だからです。しかし、怠け者の私は興味はもっても集中して勉強することがなかなかできません。ましてや、自分が学んだことをまとめて発表するなんて!

 二年に一度、慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)では「学階審査」というものが行われます。宗門の教えやそれに関連した研究について論文を書き、審査を受けて資格を得るものです。学階には何段階かあるのですが、最初のステップがかなりレベルの高いものを要求されるので(仏教学関係で博士号を授与されたものは、論文審査なしに最初のステップある「得業」を授与されます。)なかなか、この審査に応募するものがいません。

 そこで、得業の前段階のレベルである「助業」という制度を設けることになったのです。学階にチャレンジする人を増やすためのすそ野を広げようというのです。そのため、「とりあえず、隨麗さんやってみないか?」と言われ、安請け合いをしてしまったというわけです。

 文章を書くのを仕事にしてから30年以上たちますが、学術論文のようなものを書くのは大学院を出て久しぶりです。私は比較宗教史が専門でしたから、歴史的アプローチしか知りませんので、宗門の歴史に関連したもので論文を書こうとしています。

 しかし!資料も関連した論文もほぼ皆無!いきなり何もない荒野に歩き出してしまったような気がします。私の宗門には大学がないので、本山にある資料も限られているのが痛い!・・・というわけで、泣きべその日々を過ごしています。

 今年の夏は暑く、長いものになりそうです。

◎今日の写真はカナダのトロントにある水族館の写真です。暑い時は冷房のきいた水族館がいいですよね!