慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

興正寺の「申告漏れ」記事にため息

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 朝の勤行が終わってから、ゆっくり朝刊を読むのが毎朝の楽しみです。でも、今朝の中日新聞の一面トップは「興正寺6億6000万円の申告漏れ」という[ゲンナリするような記事でした。興正寺は名古屋でも最も有名な大寺院の一つ。様々なイベントや納骨堂、墓地の派手な宣伝など、新聞に全面広告が出ているのを何回も見ました。一度お参りに行ってみたいと思っていましたが、まだチャンスがありませんでした。

 このお寺は、境内地を隣接した大学に売却し、その売却金を巡って真言宗の本山ともめていたり、住職が本山から罷免されたり、罷免を不当として裁判を起こしたり・・と問題山積み。

 土地売却益は138億8000万円!新聞や『月刊住職』などの記事によると、この巨額のお金にさまざまな人が群がっている感じです。何億もの「コンサルタント料」とか・・不可思議なお金の流れが浮かびあがってきます。

 仏教は「欲望」に翻弄される苦しみから離れる教えなのに。お金のことは難しいですね。

 もちろん、大きなお寺を維持していこうと思ったら、何らかの手段で巨額の維持費を得なければなりません。境内地を手放して資金を得て、安定した資産運営のできるようにしたいと、最初は純粋に「何とかしなければ」という気持ちで始めたことかもしれませんよね。難しいなぁ・・・・

 今回の件では本山の対応もなんだかモヤモヤです。

 私は、新聞などに派手に納骨堂などの宣伝をしている幾つかのお寺を見るたびに「なんだかあなぁ・・・」と思っています。特に、ハイテク(?!)を駆使したキラキラ納骨堂の宣伝を見ると、「こんな施設を維持していくためには、永遠に自転車操業して行かなきゃならないのでは?」と心配になってしまいます。ハイテクは、完成したその瞬間から「最新」ではなくなっていきます。メンテにどれほどコストがかかるのでしょう。

  納骨堂を探すなら、日頃からお付きあいをして住職とご縁を育んでいけるお寺を選ぶのがおすすめです。住職の人柄や生き方、暮らしぶりが見えるところがベストでしょう。お寺は生きているうちにご縁を結んでくださいね。

◎今日の写真はフィンランドで見た古代のアクセサリーです。どんな人の胸元を飾っていたのでしょうね。