慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

彼岸へ至る道を歩む

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 お彼岸が近づいてきました。9月18日の日曜日に「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を行うのですが、ちょうど翌日からお彼岸に入るので、今月のテーマは「お彼岸の迎え方」ということにしました。ここ数日、資料作りに苦労しています。

 お彼岸とは、ご先祖の供養をする大切な日なのですが、実は最も肝心なのは、ご先祖以上に「生きている私たち」なのです。私たちが今生きているこの世は「此岸」と言います。こちらの岸辺からお浄土のある、向こう岸「彼岸」へ、どうやって渡っていくのかを改めて考えるのがお彼岸の7日間です。

 慈雲寺が属する浄土宗西山派の教えは、法然源空上人(法然上人)から証空上人に伝えられたものです。阿弥陀様は全ての生きとし生けるものを極楽(彼岸)にその身そのまま救いとると誓いをたて、それに必要な修行や懺悔の全てをしつくし如来となられたのです。ですから、私たちの側から「彼岸」へ行くための用意は全く必要ありません。阿弥陀様のお慈悲を喜ぶだけで十分なのです。

 しかし、私たちがこの世、此岸で生きている間に、どれほど苦しみ少なく、穏やかに暮らしていくかが問題ですね。お釈迦さまは六波羅蜜と呼ばれる理想的な修行の道をお示しくださいました。どれも、なかなか私たちには難しいものばかりです。正しい道をなかなか歩めない私たちをこそ救ってくださるのが阿弥陀様です。

 その阿弥陀様への報恩感謝の気持ちをできるだけ形にしていこうとするのが、仏教徒の生き方です。お念仏を称える「から」救われるのではありません。こんな私たちを救いのお目当てにしてくださる阿弥陀様のお慈悲を思って、嬉しさのあまり口からこぼれ出るのがお念仏なのです。

 18日には御一緒に彼岸への穏やかな歩み方を考えてみましょう。10時開始。無料です。

 どなたでもお気軽においでください。

◎今日の写真はカナダの西海岸の先住民が祭祀に使うマスクです。これをかぶって踊るのはなかなか大変そうです。