慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

彼岸明けは青空

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 お彼岸の間、毎日のように雨でした。今朝、久しぶりに朝日が目に入って目が覚めました。本当は太陽が昇る時には朝の読経を終えてなければいけないので、僧侶としては完全に寝坊・・・でも、こんな風にお日様と青空に起こされて目が覚めるのはいいですね。

 今日は彼岸の明けです。お浄土へ迎え取ってもらうために、六波羅蜜という六種類の基本的な修行について改めて考えるのがお彼岸の7日間です。しかし、法然源空上人(法然上人)は、末法に生きる凡夫の私たちには、六波羅蜜の修行をすることのできるひとはほとんど皆無。そんな私たちに代って、彼岸(お浄土)へ行くために必要な修行と懺悔の全てをしてくださったのが阿弥陀仏です。

 私たちは阿弥陀仏の深いお慈悲を喜んで、素直にお念仏をすれば良いのです。お念仏をする「から」救われるのではなく、すべてをお任せできる喜びのあまり、口からこぼれ出てくるのがお念仏です。

 その喜びと感謝を表現するために、自分のできる範囲で六波羅蜜に示された行いをして行きましょう。六波羅蜜をするから救われるのではなく、より苦しみ少なく生きるためにお釈迦さまがお示しになった道と考えてみましょう。

 六波羅蜜の詳しいお話しは、また別の機会にしますが、六種類の修行の最初に示されているのが、「布施」です。お寺にお供えするお金や物だけが布施ではありません。笑顔ややさしい言葉、ほかの人のためになることをする、座席をゆずるのも布施なのです。

 今日はお彼岸の最終日です。彼岸明けにお墓参りをする習慣のある地方も多いことでしょう。お墓にお参りしたら、ぜひ本堂にもお参りしてくださいね。

◎今日の写真は、カナダの最東端にあるニューファンドランド州で見た野バラです。