慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

御法主から直接教えを受ける

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 慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)のトップに立つ方を「御法主」(ごほっす)と申します。総本山光明寺の管長であり、宗門の信仰の中心的指導者です。今年、前御法主が体調不良で退山なさり、新たに哲空上人が御法主になられたのです。

 哲空上人は、教学の学者として知られた方です。私が30年前に初めて西山浄土宗の教えを学んだときの先生がまさに哲空上人でした。

  数年前から、本山で、この哲空上人から数か月に一度、直接教えをいただく機会が設けられました。「広谷放談」と呼ばれるこの会は、誰でも参加できて、気軽な雰囲気で哲空上人が証空上人の教えを解説して下さる会でした。気軽な雰囲気といっても、哲空上人は非常にまじめな方ですから、それほど「気軽」な感じでもないのですが・・・・

 哲空上人が御法主になられてから、初めての「広谷放談」が昨日開催され、私も参加させていただきました。30年前に哲空上人から教えを受けたときのことが思い出されて、懐かしいような、あれからほとんど進歩のない自分が情けないやらで、不思議な気持ちになりました。

 しかし、法然上人から証空上人へと受け継がれたお念仏の教えを、何としても私たちに受け継いでほしいという哲空上人の御法主としての強い意志は、私のぼんくらな頭にもグイグイと入ってきました。

 今回は、証空上人のお書きになった『女院御書』という書物の中から、お念仏がなぜ、私たち凡夫にとって他の修行より優れたものであるのかということを説いた部分の解説でした。私たちの信仰の中心となる問題です。

 打てば響くというわけにはいかない自分の愚かさが哀しいですが、御法主から直接教えを受けたという経験に後押ししていただいて、ほんの少しでも理解を深めたいと思っています。

 久しぶりの本山でしたが、もう山の上の方ではほんのりと色づき始めた楓もあって、その哀れな風情が心に残りました。

◎今日の写真は、カナダのニューファンドランド島で見た野草です。