お会いするたびに、とても丁寧で謙虚な態度のDさん(仮名)・・・でも、毎回なんだか不思議な「気」(???)を感じてしまうのです。腰が非常に低くく、自分を卑下するようなことを何度もおっしゃるのですが・・・なんとなく「いいえ、とんでもない。あなたは素晴らしい方ですよ!」と私が言うのを待っていらっしゃるような感じなのです。
いくら謙虚な言葉を並べても、「衣の下から鎧」ではありませんが、「自分を正当に、もっと高く評価しろ!」という不満が伝わってきます。私が疑いすぎなのかもしれませんが・・・・
「どうです。私って美人でしょ!」なんて口にする人はあまりいないでしょう。でも、「私のようなブスが・・・」と卑下する人はときどきいますね。美人自慢も、ブス卑下も実は同じことです。「私を正当に評価しろ!」と強要しているのですから。
そういわれたからと言って、正直に「いいえ、それほど美人とも思えません。」とか「そうですね。本当にあなたはお気の毒なお姿ですね。」などと言ったら大変ですよね。
その人にとって「正当な評価」というのは「私の思っている通りに評価しろ」ということですからね・・・・
他人からの評価次第で「自分」が揺らいでしまうのは不幸です。もちろん、自惚れで心がパンパンに膨らんでいるのも、卑屈になっているのも不幸なことです。
阿弥陀様は私たちを「この身、このまま」で受け入れてくださいます。がんばるからでも、美しいからでも、頭が良いからでも、お金持ちだからでもありません。そのまま、受け止めてくださるのです。「ああ・・・そうだったんだ・・・」と、阿弥陀様のお慈悲に包まれていることが、腑に落ちたとき、私たちは本当の安心(あんじん)を得るのです。もう他人の評価など気にならなくなりますよ。