慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

一見謙虚・・・でも本当は

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 お会いするたびに、とても丁寧で謙虚な態度のDさん(仮名)・・・でも、毎回なんだか不思議な「気」(???)を感じてしまうのです。腰が非常に低くく、自分を卑下するようなことを何度もおっしゃるのですが・・・なんとなく「いいえ、とんでもない。あなたは素晴らしい方ですよ!」と私が言うのを待っていらっしゃるような感じなのです。

 いくら謙虚な言葉を並べても、「衣の下から鎧」ではありませんが、「自分を正当に、もっと高く評価しろ!」という不満が伝わってきます。私が疑いすぎなのかもしれませんが・・・・

 「どうです。私って美人でしょ!」なんて口にする人はあまりいないでしょう。でも、「私のようなブスが・・・」と卑下する人はときどきいますね。美人自慢も、ブス卑下も実は同じことです。「私を正当に評価しろ!」と強要しているのですから。

 そういわれたからと言って、正直に「いいえ、それほど美人とも思えません。」とか「そうですね。本当にあなたはお気の毒なお姿ですね。」などと言ったら大変ですよね。

 その人にとって「正当な評価」というのは「私の思っている通りに評価しろ」ということですからね・・・・

 他人からの評価次第で「自分」が揺らいでしまうのは不幸です。もちろん、自惚れで心がパンパンに膨らんでいるのも、卑屈になっているのも不幸なことです。

 阿弥陀様は私たちを「この身、このまま」で受け入れてくださいます。がんばるからでも、美しいからでも、頭が良いからでも、お金持ちだからでもありません。そのまま、受け止めてくださるのです。「ああ・・・そうだったんだ・・・」と、阿弥陀様のお慈悲に包まれていることが、腑に落ちたとき、私たちは本当の安心(あんじん)を得るのです。もう他人の評価など気にならなくなりますよ。

◎今日の写真は慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)総本山の紅葉です。

 11月29日に慈雲寺から、この光明寺へバスで参拝いたします。紅葉の美しい時期ですので、御一緒に出掛けませんか?会費は一万円(昼食付)です。どなたでも歓迎いたしますので、ご希望の方は慈雲寺までご連絡ください。