今週は「お仏壇を処分するので、お性根抜きをしてください。」というご依頼を数件いただきました。家の建て替えをしたり、遠くへ引っ越したりして、大きなお仏壇をお祀りすることができなくなった方です。今は、仏間のあるお宅は少ないですから、どうしても大きなお仏壇を維持していくのは難しいですね。
もちろん、仏間があり、大きな仏壇を護っていくことは、とても大きな功徳があります。ご先祖さまへの御供養という面はもちろん、自分たちはこれからの子孫たちにとっても、「特別な場」を維持していくことになるからです。
極楽に往生なさったご先祖は、私たちがその方々を思うとき、時間や場所を問わず、ただちに寄り添ってくださいます。お墓の中だけ、お位牌の中だけにいらっしゃるわけではないのですね。極楽の菩薩さまは、皆、時間や場所を超越する神通力をもっていらっしゃるのです。
しかし、私たちの方は、仏壇やお墓など、「特別な場」があると、心を集中して思いを込めやすくなるのです。「特別な場」に座るだけで、心が穏やかになってくるのです。お寺、お墓、お仏壇は、ご先祖の供養のためだけでなく、生きている私たちの日常の苦しみを癒す場所でもあるのです。
今まで、長い間大切にされてきたお仏壇ですから、丁寧に「お性根抜き」をさせていただきました。
お性根を抜いた仏壇は、仏壇屋さんと相談してお焚上げしてもらうこともできますし、家の解体などのときに、一緒にもっていっていただくこともできます。その仏壇を購入した仏壇屋さんがわかっているなら、ご相談すると良いでしょう。
◎今日の写真は、慈雲寺の属する浄土宗西山派(西山浄土宗)の総本山光明寺です。光明寺には法然房源空上人(法然上人)お墓、御本廟があります。写真の「圓光大師」というのは、法然上人の大師号です。
法然上人の廟は嵯峨の二尊院や京都の知恩院にもありますが、この光明寺から分骨されたものがお祀りされています。