このところ、テレビをつけながら部屋の片づけをしています。黙々とやっていると何だか哀しくなってしまうので・・・・昼間の番組でよく出てくるのが、いわゆる「行列のできる店」の紹介。長時間待って、ようやくお目当ての料理が出てきたのに、すぐ食べ始める人は少なく、皆、いっせいにスマホを出して撮影を始めています。
どうやら、インスタグラムやツイッターに「今、話題のお店で食事してま~~す!」とアッピールしているらしい。う~~ん・・アツアツの美味しいところを食べることより、長時間並んで貴重な(?)食事をしようとしている私を見て!!ということが大事なのかしらん??
私は今も細々と旅行ライターの仕事をしていますが、カナダに住んでいた時は、北米の旅行ガイド本を書く仕事が生活の中心でした。毎年250日以上、ホテルで暮らして、毎日、毎日外食・・・・事前にアレンジしないレストランの場合、出てきた料理の写真を撮るのが本当に苦手でした。今の日本のように誰もが料理の写真を撮ったりしませんから、他のお客からは冷たい目で見られるし・・・嫌がるお店も多かったし・・・思い出すだけでゲッソリ。
今、月刊『旅行読売』で連載させていただいている記事は、御利益で知られる社寺の紹介なので、料理の紹介は無し。とてものびのびと取材させていただいています。
それにしても、料理が冷めてしまうのもかまわず写真を撮り続けることに夢中になるなんて・・・本末転倒ですよね。その食事が「自慢」のためのものだけなら、なんとも哀しいことのように思えます。
食事は他の生物の命をいただくのですし、料理人やサービスをしてくれる人の思いもいただくのですから、敬意を忘れてはいけないと思います。ゆっくり味わっていただくことが大切ですよね。
◎今日の写真はウズベキスタンの取材で撮影したお料理の写真です。