慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

社葬に参列する機会から多くを学ぶ Part 1

f:id:jiunji:20170203192058j:plain  今朝、パソコンと立ち上げたらmsnのニュースで「知らないと恥をかく『会社関係の葬式』」という記事が出ていました。今は大規模な社葬をする会社も少なくなっているようですし、会社の上司の親族が亡くなったとしても、部下が葬儀に参加したり、手伝いに出たりすることはあまりないかもしれません。

 しかし、会社関連や仕事上でのご縁のある方の葬儀というのに参列する機会が全くなくなったわけではないでしょう。機会が少ないからこそ、きちんとしたマナーを守り、哀悼の気持ちを素直に、そして丁寧に態度や言葉で表せる人は、社会人として高く評価されることでしょう。

 人の生きた歴史の締めくくりとなる葬儀、とりわけ会社関連の葬儀は、親戚やご近所というだけでなく、社会生活を「縁」として人々が集うわけですから、参列者それぞれが、自分を取り巻く環境、仕事の意味、そして社会の一員として生きる自らの状況を改めて考える稀有の機会になるでしょう。

 読経を聴きながら、故人への回向とともに、ゆったりとした気持ちで自らを振り返る大切な時間としてください。

 そのためには、会社にフォーマルとまではいかなくても、ダーク系のカッチリしたデザインの上着とネクタイ、女性なら上着と白いブラウス、綺麗に磨いた靴、喪章などを常備しておきましょう。これらの衣服は、葬儀以外にも、いざというときに貴方の強い味方になってくれるはずです。

 そして、忘れてならないのが数珠です。数珠は宗派によって形状がことなりますが、一番シンプルな一連のもので良いでしょう。しかし、百均であわてて買ったのが見え見えの安物は避けたいものです。数珠は数十万するのもしばしば見受けますが、1万円ぐらいで良質のものを探すことは可能です。

 それからお勧めしたいのが、焼香の時のお香を葬儀に持参することでし。お香を扱う専門店なら、携帯用のお香を入れる容器も入手できます。これもピンからキリまでですが、これはそれほど高価なものでなくても大丈夫。

 焼香の時には、持参したお香で供養するのが本来のやり方ですから、ポケットから自分のお香を出して焼香すれば、とても洗練された印象です。自分の好みのお香を供養して少しゆったりと時間をかけて冥福を祈り、仏様へ礼拝いたしましょう。(つづく)

◎今日の写真は先月、東京の上野東照宮でみた寒牡丹です。