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慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月23日(日曜)10時より行います。テーマは「仏教の教える”生きがい”について考える」です。

今日はお釈迦様が入滅なさった涅槃会の日です。

         (たつの市所蔵)

  旧暦の2月15日はお釈迦様が入滅なさった日です。この日には各地のお寺で「涅槃会」が行われます。旧暦ですので、3月15日に行うお寺も多いですが・・・・

 涅槃会の前後には、お釈迦様のご入滅の様子を描いた「涅槃図」の御開帳をするお寺も少なくありませんし、その図を示しながら絵解きの説教が行われる場合もあります。

 私はこの涅槃図を拝むのが大好きで、京都の本山(総本山光明寺)に居候していた時には、涅槃図の御開帳があると聞くと、京都中を走り回って拝ませていただきました。

 北を枕にして横たわるお釈迦様の周辺に弟子の僧侶たちや、一般の信者、そして動物たちまで集まって悲しんでいます。

 この図は、さまざまなことを語りかけてくれますが、私にとっては「人は、愛する人と別れるときが必ず来る」という現実を直視する大切な機会です。

 また、修行を積んだ僧侶たちも、手放しで泣いている姿は、お釈迦様がどれほど慕われ、多くの人に(動物にまで)深い影響を与えていたのかが感じられて、「お釈迦様の教えに従って行こう」という思いを新にできる機会でもあります。

 宗教画は、約束事がたくさんあるので、涅槃図の構図や描かれている人物などは基本的には同じなのですが、描く人の思いによって少しずつ違いがあります。その違いを発見するのも楽しみです。

 私は図の右上に描かれている摩耶夫人の姿に注目しています。摩耶夫人はお釈迦様のお母さまですが、息子を生んですぐに亡くなってしまいます。しかし、彼女は死後、忉利天という天界に生まれ変わっていました。その摩耶夫人が息子の重病を聴いて、特効薬を持って駆け付けようとしている姿です。間に合わないと知った夫人は、その薬を天から投げ下ろすのですが、木に引っかかってお釈迦様に届かない!(別の解釈もあります)お釈迦様の頭の上の木に引っかかっている袋がそのお薬だそうです。

 子を思う母の気持ちが伝わってきますね。

 もし、ご近所のお寺で御開帳があるようでしたら、ぜひぜひお参りしてください。双眼鏡や単眼鏡など、細かいところが見えるものを持参なさるのがおすすめです。

◎今日の写真は兵庫県たつの市が所蔵する狩野永納の描いた涅槃図です。