昨日のブログで、「尼僧として出家したいと考えていらっしゃる方に、まず仏教徒として生きることをお勧めしたい。」と書きました。その続きです。
仏教徒の生き方は「悪いことをやめる。善いことをする。他の人のためになることを率先して行う」が基本です。自分が自分がというとらわれから離れて、利他に生きることが第一歩なのです。もちろん、私たちは末法に生きる凡夫ですから、簡単そうに聞こえる、この三つの原則を実行するのはなかなか難しいことです。
とりわけ、今は「本当の自分に出会う」とか「自分探し」とか、自分にこだわることが当然のように言われています。ブログやツイッターなどで、「自分をもっと知って!」と激しくアッピールしている人も少なくありません。
しかし、そうやって「自分」を追い続けていても苦しくなるだけではないでしょうか?「こんなはずではない。」とか「こんな状態は本当の私ではない。」と苦しむだけなのでは?
そんなとき、まず「自分」をひとまず置いて、他の人のことを考える、実行するというのはどうでしょう?
出家は本来、家族やものなど、「自分の」あれこれから離れるためのものです。お釈迦さまは、地位も家族も宮殿からも出てきたのですから・・・
お釈迦様は対機説法といって、相手の気質や能力、環境などに応じて教えの説き方を変えていました。ですから、仏教にたくさんの宗派があるのは当然のことです。仏教徒として生きることから始めれば、必ず良き師に出会い、ご縁を結ぶことができると思います。
仏教に触れたいという方のために、慈雲寺では毎月写経の会ややさしい仏教講座を行っています。さまざまな面でのご相談にもできる限り対応させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
◎今日の写真は神戸市の長田神社で見た、眼鏡の守り神さま(??)です。なんだか不思議なエネルギーを感じました。