慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

大河内山荘で一休み Part2 

 

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 この美しいお堂は、往年の大スター、大河内伝次郎の山荘の中にある彼の持仏堂です。大河内は、関東大震災以来、撮影の合間にも、この持仏堂に籠って念仏に明け暮れていたそうです。このとき、彼はまだ三十代。いったいどんな気持ちで、この小さなお堂に籠っていたのでしょうか?

 嵐山の人混みから離れ、静かな山荘で一休みできたのは、とても贅沢な経験でした。楓の木々がたくさん苔庭の周辺に植えられていましたから、紅葉の季節には、この庭にもたくさんの人々がやってくるでしょう。今は少し季節外れで丁度よかったのかも・・・。

 でも、持仏堂の周辺にはすでに萩の花が咲いていて、秋の風情でした。

 ところで、今日も大河内山荘で写した写真を眺めながら、美しい庭のことを思い出して穏やかな気持ちになっていたのですが、気まぐれに買った週刊誌の記事のおかげで、すっかり台無しになってしまいました。

 それは、櫻井よしこさんが週刊新潮に連載している「日本ルネッサンス」という記事。今週のタイトルは「北朝鮮脅威の高まりで国難突破解散」でした。

 私は、安倍首相が何回も使う「国難突破」という言葉に強い不信感を持っています。

日本が第二次大戦に向かって爆走し始めたときも、「挙国一致で国難突破」という言葉が何度も使われていたからです。

 この櫻井さんの「北朝鮮の脅威」を必要以上に煽る記事は、超保守派の彼女としては、何としても今回の解散をその方向に持って行きたい、加計問題から目を逸らしたいという意図が見え見えで、とても気持ちの悪いものでした。

 「国難」を戦争で突破することなどできるはずはありません。70年前に、私たちは膨大な犠牲を払ってそれを学んだはずなのに・・・