慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

核廃絶NGOのノーベル平和賞受賞を喜ぶ

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 今朝の中日新聞の一面は、核廃絶国際キャンペーン(ICAN)に今年のノーベル平和賞が授与されることになったというニュースでした。ICANは日本からも7つの団体が参加している国際NGO組織です。

 この組織については、名前を耳にしたことはありますが、具体的にどういう活動をしてきたのか詳しく知らなかったので、今朝の記事はとても興味深く読みました。

 核兵器を非合法化し、世界から廃絶していくという運動は、唯一の被爆国である日本こそが、そのリーダーシップを取るべきだと思います。しかし、日本は核兵器禁止条約にも参加せず、今はいたずらに「北朝鮮の悪」を強調して、「核兵器もやむなし」という雰囲気を作ろうとしているように思えます。

 この時期にノーベル賞の選考委員がICANを選んだのは、一つの大きな見識であり、世界は「アメリカの言うことを聞いていればよい」と思う人たちばかりではないのだというメッセージではないでしょうか?

 仏教徒は、できる限り殺生を避けなければなりません。とりわけ人殺しは、どのような理由があれ、ゆるされるべきではないのです。大量に、無差別に、人や他の生物の命を殺傷する核兵器は、人類の愚かさの象徴でしかありません。ICANの受賞をきっかけに、被爆国の人間として、私たちがいかに行動すべきかを改めて考えてみたいものです。

 今朝の勤行は、原爆によって亡くなられた方々をご冥福をお祈りしました。