慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

国立京都博物館で「国宝展」を見る・・・敗北・・・

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 今、京都の国立博物館で日本中の国宝指定を受けた美術工芸品を一挙に展示する「国宝展」が開かれています。展示されているものの全てが国宝!11月26日までです。会期は四つに分かれていて、展示品も入れ替わる。各期ごとに見に行こうと思っていたのですが上手くいかず・・・とうとう先日、行くことができました。しかし・・・結果は敗北でした。

 あまりにも人が多い・・・・

 まあ、私はモナ・リザミロのビーナスが来日公開された時の長蛇の列を覚えていますから、それに比べれば入場待ち時間50分は大したことはないかもしれませんが・・・

 私が出かけた期間の目玉は金印。金印を近くで見たい人は、別枠の行列があって40分待ちでした。私はこの金印を所蔵している福岡市博物館で見たことがあります。確かに、小さいので近くで見たいという気持ちはわかるけど・・・・人混みの向こうにチラリと見えた金印は燦然と輝いてました。

 3時間ぐらいかけて、ゆっくり鑑賞するつもりで出かけたのですが、あまりの人混みの凄さにすっかり怖気づき、一時間もしないうちに出てきてしまいました。でも、お目当ての仁和寺薬師如来さまは拝めたし、狩野永徳の「花鳥図襖」にも出会えた。息が止まりそうになるほど美しい油滴天目茶碗も見たし(ライティングが素晴らしかった!)ま、いいか・・・

 でも、国宝はゆっくり見たいなぁ・・・・以前、山口の県立美術館で雪舟の展覧会があったときは、あまり人がいなくて良かった・・・・なんて勝手なことを思いながら会場を後にしました。

 あれほどたくさんの人が、自分の国の宝に興味を持ち、長い待ち時間にも、混雑にもめげずにやってくるというのは、嬉しいことです。でも、今、私は廃仏毀釈の時の本を読み始めているので、「つい150年前、日本の城を壊し、寺を壊し、仏像を壊しまくったのも私たちだよなぁ・・・タリバン顔負け」なんて、ちょっと思ったりしました。

 慈雲寺の御本尊も、どうやらかなりの苦労をしてきたらしい。像全体が焦げていて、しかも大阪の一般家庭にあったらしい・・・もしかしたら、廃仏毀釈の犠牲者?今は慈雲寺でのんびりしていただきたいものです。

◎今日の写真は滋賀県五箇荘で見た落ち葉です。