慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今日はダライ・ラマ猊下のお言葉に癒していただきました

ダライ・ラマ猊下のお言葉

「笑顔というのは、私たち人間だけがもっているユニークな特徴の一つだと私は思っています。・・・・ですから、人間だけに与えられたこの特権を十分に活かしていくことが大切なのではないかと思います。」 

 

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 朝日はとても綺麗だったのに、どんどん雲が広がってきて、とうとう雨が降り始めました。お天気のせいばかりではないでしょうが、今日は少々気持ちが重い。集中して本を読む気持ちになれなかったので、かつて三蔵法師が中国からインドへ旅したルートを豊富な写真で紹介した『三蔵法師の道』という本をパラパラ眺めたりしてグダグダと一日を過ごしてきました。

 本堂を閉めてから、ふと手にしたのが『ダライ・ラマ希望の言葉』という本です。これも世界各地を巡る猊下のお姿の写真がたくさん入っている本です。

 猊下には、一度だけお近くでお姿を拝んだことがあります。「ああ、このお方は本当に観音様の化身なのだ。」と素直に思えたほど、気高く、穏やかな笑顔の方でした。

 仏教では「和顔愛語」・・・穏やかで優しい表情と慈愛の心がこもった思いやりのある言葉を他の人に与えることは、そのまま布施という大切な修行の一つだと考えています。

 自分の大切な時間を使って稼いだお金を仏様やお寺に御供養する「財施」も大切な布施ですが、「人間に与えられた特権」である笑顔を他の人に向けて、人々の心に安らぎを贈るのも布施なのです。この布施なら、誰にでも、どこででも、寝たきりになってもできる修行ですね。

 今日は、あまり笑顔がでるような気持ちではなかったのですが、本の中でやさしく微笑むダライ・ラマ猊下の写真を見ながら、お言葉を読み返していると、すこしザラザラしていた心が柔らかくなったような気がしました。