慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

白寿を祝う!矍鑠たる長老は地域の宝

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 慈雲寺は、織田信長今川義元の戦いで知られる桶狭間の一角にあります。私が慈雲寺に赴任して、最初にしたことの一つに、この地域の歴史を研究する人たちのお仲間に入れていただくことでした。

 恥ずかしながら、私は日本の戦国時代のことは全く知識がなかったのですが、「英語でガイドの手助けをしてくれるなら・・・」と、快くお仲間に入れていたけることになりました。

 そこでお目にかかったのが、郷土史研究家のKさんです。私は、このブログにも何度も「矍鑠として生きるシニアは地域の宝物だ」と書いてきましたが、Kさんこそ、まさにこの「矍鑠たるシニア」の代表です。

 先日、このKさんの「白寿を祝う会」に私も参加させていただきました。「百」の字から「一」を取るので「白」、すなわち99歳を祝うのが白寿です。もちろん、このような会に参加させていただくのは初めて。Kさんや、そのお仲間とご縁ができたことを心から嬉しく思う一日でした。

 地域の公民館に集まったのは30名あまり。会場の関係で会のお知らせはごく狭い範囲にしか配らなかったようです。広い範囲にお知らせすれば、もっともっと多くの方が集まったことでしょう。

 しかし、集まった人々の雰囲気がなんとも良い感じ。Kさんを敬愛していることが、一人一人から伝わってきました。

 Kさんは、言葉も力強く、今も畑仕事をしているとかで、体もしっかり。好奇心もいっぱいで、なによりユーモアがあります。

 第二次大戦中は中国で6年以上の戦場におり、銃撃で重傷を負った経験もあるそうです。Kさんの口から発せられる「戦争はしてはいけない」という言葉は、なんとも重みのあるものです。それ以後のKさんの人生もけして楽なものではなかったようですが、知的好奇心とユーモアは枯渇することなく、豊かに湧き上がり続けているようです。

 Kさんの胸には二つの勲章が輝いていましたが、本当の勲章は、白寿を祝ってくれる友人やファンがたくさんいることでしょう。しかも、皆さんからの祝いの言葉に即妙に対応する元気、ランチのお弁当もしっかり食べる健啖さ!

 Kさんのような長老を大切にし、Kさんが培った智慧を楽しく受け継いでいこうとする人々がいる地域に赴任できたことをしみじみ嬉しいと思いました。