慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

和歌山県広川町周辺の寺院でお彼岸のお説教 Part1

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 お彼岸の間、和歌山県の広川町周辺の寺院に説教師としてお招きいただきました。

 僧侶は、教学の研究を中心とする学僧、儀式を司る法事師、そして布教のためのお説教の修練を中心とする説教師の三つの分野があります。もちろん、三分野ともバランス良く習得することが理想ですが、やはり向き不向きがあります。多くの僧侶は、三つの分野のどれかを選択して修練を積んでいきます。

 私は説教師の道を選んで、布教師会に属し、布教師研修所で研修を受けています。布教師の資格を取ると、「巡教」と呼ばれるものを行うことができます。巡教とは、毎年年頭に西山浄土宗の御法主猊下より発せられる「おことば」を持って、各地のお寺を巡り、「おことば」を檀信徒にお伝えして、その内容を説き示すお説教をすることをいいます。

 巡教は、各地の寺院が何ヶ寺かまとまって説教師を招きます。今回は、和歌山県有田市の広川町や湯浅町周辺の17の寺院に呼んでいただきました。お彼岸の期間中、7日間で17のお寺を回るのは、説教師としては、なかなかチャレンジングな体験です。しかも、巡教は御法主猊下のお言葉を伝達するのが主たる役割ですから、説教の形式も内容もきちんとしていることが求められていますし、教学的な裏付けもしっかりしていなければなりません。

 幸い、現在の御法主猊下は教学の第一人者でいらっしゃるので、1月に行われた「お言葉伝達式」では、猊下が直接「お言葉」の解説を集まった私たち布教師にして下さいました。そこから大きく外れないように、することが準備の第一歩です。

 お言葉伝達式の時の講義のノートを何度も見直して準備を始めたのですが、なかなか思うような原稿が書けず(私はお説教に出るたびに、原稿を書きます)、うんうんうなってばかり、和歌山へ出発する日まで原稿を十分に仕上げることができませんでした。

(つづく)

◎今日の写真は、和歌山県の白崎海洋公園の景色です。