慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

和歌山県広川町周辺の寺院でお彼岸のお説教 Part3(時事問題と説教)

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 和歌山県へ巡教に行ってきました。Part1にも書きましたが、「巡教」というのは、私の属する西山浄土宗の御法主猊下の「おことば」を檀信徒の皆さんにお伝えし、その解説をするのが役目です。

 当然、お説教の内容も「おことば」に沿ったものとなります。説教師にとって、説教の内容が、充実したものであり、聴いて下さる方々の心に長く残り、しかもできるだけ即効性のあるもの(聞いてくださっている方の悩みや苦しみが少しでも軽くなったり、解決への手がかりになったり・・・)であることが大事だと思います。

 お説教の中に自分の体験談を入れるのは、「現実味を増す」という意味で大切なことです。自分の悩んだこと、苦しんだこと、幸せに思ったこと、感動したことなどを通して、仏の教えを伝えられればと願っています。

 そこで問題になるのが、時事問題、政治問題です。今、新聞やテレビで話題になっていることをお説教に取り入れるのは、「聴衆の興味を引く」という点や、「話題の神泉さ」などの面で、非常に有効です。

 しかし、政治的な問題や社会問題に対して、自分の立ち位置をあまり明確にしてしまうのは宗教家としてどうなのか?という問題もあります。私はいつも「仏教徒としてどうか」、「お釈迦様、法然さま、証空さまの教えにてらしてどうか?」という面から、政治や社会問題を見ていきたいと思っていますから、そこを丁寧に説明すれば良いのでしょうが・・・

 巡教のお説教の中にそれを盛り込むのは、いろいろと微妙なものも多く、まだ自分の中で結果を出せずにいます。

◎今日の写真も白崎海洋公園周辺の海です。