当麻曼荼羅は、奈良の当麻寺に伝わっている曼荼羅です。浄土変相図の一つですが、当麻寺に伝わっているものは、単に『観無量寿経』に説かれた極楽の様子を表しているのではなく、中国で浄土教を大成した善導大師がこの経典を解釈した『観経疏』という書物に沿って描かれているのです。
法然房源空上人(法然上人)の高弟、證空上人(西山上人)は、この当麻曼荼羅の縮小した写しをたくさん作り、各地の寺院に奉納しました。以来、西山派の僧侶たちは、證空の教えに従い、この曼荼羅の絵解きを通して、阿弥陀仏の救いを人々に説いてきたのです。
曼荼羅ですから、描かれているもののすべてが、象徴的な意味があるのです。それを教えていただき、相承していくのが「曼荼羅相承」です。10年に一度ぐらいしか行われないので、多くの僧侶が本山に集まります。
今回は、わたくしも参加して良いとのお許しを本山からいただけたので、今夜から京都の西山に籠ります。インターネットとは無縁の日々になりますので、しばらくはブログの更新もできなくなります。
住職はなるべくお寺を空けるべきではありませんが、大事な修行ですので、お許しくださいませ。
慈雲寺にはお留守番をしてくださる方がいますので、ご用件や連絡先などのメモを残していただければ、帰山しだい、ご連絡させていただきます。
◎今日の写真は、「当麻曼荼羅」の写しの一つです。