慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

誓願寺で教学を学べる幸せ

f:id:jiunji:20180629142930j:plain

 上の写真は、ネットの画像からお借りした、京都寺町の誓願寺の本堂の写真です。大きくて、頼もしいお顔の阿弥陀様が御本尊です。昼間は本堂に上がってお参りできますから、一度ぜひご参拝ください。

 さて、今週はこの誓願寺で「三派中央教学講習会」というのに参加しました。慈雲寺の属する西山浄土宗は、法然源空上人(法然上人)の最も円熟した宗教思想を直接受け継いだ高弟、善慧房證空上人(西山上人)を流祖としています。證空上人が京都の西山を拠点にして活動していたので、「西山上人」(せいざんしょうにん)と呼ばれるようになり、その流れをくむ人々は、西山義とか、浄土宗西山派と呼ばれていました。

 明治になって、西山派は三派にわかれ、西山浄土宗浄土宗西山禅林寺派浄土宗西山深草派となって今に続いています。三派に分かれてはいますが、その関係は良好で、共同して西山上人の教えを学ぶ、教学講習会も毎年開かれているのです。

 僧侶の資質の向上は、どの宗派にとっても最重要課題の一つ。宗教者としての資質向上には教学を学ぶことが不可欠というのは共通の認識でしょう。

 しかし、多くの寺院では日ごろの法務に忙殺されていたり、お寺の収入を補うために外に働きに行ったりして、なかなかお寺を離れることができない僧侶が多いのです。慈雲寺は小さなお寺ですので、法務に忙殺されることもなく(住職としての役割は、探せばたくさん作業はあるおですが・・・)、私の兼業はライターや通訳なので、時間も調整可能です。ですから、こうした教学やお説教の勉強会は、しばしば参加することができます。

 こうした勉強会は各派の本山のある京都で行われることが多いので、名古屋は時間的にも経費の面でも「参加しやすい」場所です。本当にありがたい。

 誓願寺は、京都でもっとも賑やかな四条河原町の近くにあります。いろいろと楽しいお店やおいしいレストランもありますし・・・今回は、誓願寺のすぐそばのビジネスホテルに泊まったので、夜は寺町の商店街の散歩を楽しみにしていました。

 しかし・・・一日、いろいろな勉強をすると、頭も体もすっかり疲労困憊。食事に出るのが精いっぱいで、ホテルに戻ってノートの整理をしたら他には何もできませんでした。真面目か??と自分でツッコミを入れたくなるほど。

 でも、こうやって京都にくる「暇」があることを心から幸せに思う三日間でした。