慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

水道からお湯が出ました。暑くても、僧侶が走る8月

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 水道の蛇口からお湯が出てきました!もちろん、湯沸かし器から来たお湯ではありません。水道管が温められて、お湯になっていたんですね。

 お風呂場と台所の洗い場にはボイラーからお湯が回ってきますが、それ以外の場所の蛇口はお水だけ。寒い時には、「カナダだったら、家中の蛇口からお湯がでるのに・・・」とつい愚痴が出てしまうのですが、夏にお湯が出てくるのは気持ちが悪いなぁ・・・なんて、友人の僧侶にこぼしたら、彼はニコニコ笑って、「慈雲寺さんの悩みは水道だけか・・・ま、ありがたいことだね。」と言いました。

 確かに・・・その友人は、今月は朝5時半から夜の8時近くまで、お盆の棚経に走り回ります。私は、近くのお寺のお手伝いに数日行く以外は、毎日数軒、お参りが増える程度、おそらく近隣で一番ノンビリしている僧侶です。

 師走というと、先生もお坊さんも忙しく走り回る月ということですが、僧侶が本当に走り回るのは今月なのです。

 でも、棚経は普段お会いできない方にお目にかかれる大事な機会です。本当は、少しでも家族の方とお話しして、さまざまな状況をうかがったり、仏さまの御教えについてお話ししたりしたいものですが・・・何百軒もの檀家さんを回る友人のお寺のような場合、お茶をいただく時間もありません。

 その点、慈雲寺に直接棚経を頼んでくださるお宅では、ゆっくりお盆の意義などについてお話しもできるのでありがたいです。確かに、今日の悩みは水道からの水だけ・・・これは幸せというのでしょうか?でも、お水が温かいと、仏さまにお供えする花が、アッと言う間に元気がなくなります。「お金」を欲しがるのは、僧侶にとって何より恥ずかしいことです。本来、托鉢でお供えしていただいたものをありがたくいただくだけで暮らしていくべきなのですから・・・でも、お供えの花が、アッと言う間に元気がなくなっていくのを見ると、毎朝、お花を替えられる余裕があればいいなぁ・・・とつい思ってしまいます。

 水道のお湯は、やはり悩みのたねのようです。

◎今日の写真は、カナダの西海岸で見た、サーモンベリーの花です。