慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

12月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は12月23日(日)10時より行います。テーマは「戒名」です。戒名の本来の意味、理想的な授かり方をご一緒に学んでみましょう。

棚経にうかがって気が付いたこと

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 朝からお盆の棚経に出かけました。慈雲寺はやや特殊なお寺で、昔からの意味での「檀家」のないお寺です。戦後、墓地を少し造成しましたが、墓地に入って下さっている家の多くは、他のお寺の檀家さんです。しかし、最近は少しずつ棚経を頼んで下さるお宅も増えています。ありがたいことです。

 とはいえ、お盆の最中にこんなにノンビリしているお寺も少ないでしょうが・・・

 さて、その少ない棚経の経験から、気が付いたことが幾つかあります。宗派やお寺によって慣習は違うでしょうから、どのご家庭にもあてはまるとは思えませんが、参考にしていただけたらと思い、書きだしてみることにします。

1)お位牌は僧侶から見やすいように前に出してはいかがでしょう?

たくさんのお檀家さんを回る僧侶は、「○○家」とひとまとめにして回向するだけかもしれませんが、私は戒名が見えるなら、全てのお位牌を読ませていただいています。

 お位牌が多いときや、年月がたって字が見にくくなっているならば、菩提寺の和尚様に過去帳を作っていただくようにお願いするのがおすすめです。

 もし、それが難しいなら、戒名を書いたリスト(できればフリガナ付き)を作っておくと、個別の御供養をたのみやすいと思います。

2)木魚のバイを新調してみませんか?

木魚を叩くバチのようなものを「バイ」と呼びます。このバイが木魚の音の決め手です。古くなって、木魚に当たる部分が破損していたり、軸が曲がっていると良い音がでません。仏具屋さんへ行けば、比較的安価で販売されています。少々高いですが、シリコン製のものがベストです。

3)冷たいお絞りがありがたい

 忙しいお寺では、「お茶やお菓子は不要」と事前にお知らせがある所も多いようです。お茶をいただく時間もないというわけですね。(私はゆっくりお茶をいただき、少しお話しするのも棚経の楽しみですが・・・・)

 お茶をいただく余裕がないとしても、冷たいお絞りはありがたいです。本当は汗だくになっている顔や首筋を拭きたい・・・でも、そんなはしたないことはできませんし...

と思っていたら、あるお宅で、大判の使い捨ておしぼり(レストランなどで出てくるような大きなもの)を冷蔵庫で冷やして出してくださいました。「どうぞ、遠慮なく汗をぬぐってください。」と言っていただいて、本当に嬉しかった。生き返りました。

4)お茶は麦茶がベスト

 3)の続きです。「お茶はなし」というのが決まりなお寺は別ですが、やはりお茶ぐらいは接待させていただきたい・・・というありがたいお気持ちの方も少なくありません。水だしの美味しい緑茶・・・は私の大好物ですが、お勧めは麦茶です。

 カフェインの入った緑茶は、利尿作用があり、少々やっかいです。麦茶は汗で不足しがちなミネラル分もあり、熱中症の予防にも効果的とか。

5)お布施の袋には氏名を書いていただけるとありがたいです。

 お預かりするお布施の袋には、「山田家」とか「田中家」とか家名だけが書かれていることが少なくありません。全てのお宅に伺ったことを確認するためや、帳簿の整理などにも大切なことですので、ぜひ「山田太郎」とか「田中一郎」とか、フルネームで書いていただけるとありがたいです。

6)経机の上には、できるだけ物を置かない。

 お仏壇の前に置く小さな机のことを「経机」と言います。文字通り、お経巻を置くための机です。棚経の時に、お経巻を広げる僧侶は少ないでしょうが(私は必ず経本を開きます)、経机の上に置くものは極力少なくしましょう。おリンだけというのがベストですが、香炉や燭台を置いても良いでしょう。

 しかし、お線香や蝋燭の箱は、経机から降ろし、別の小箱に整理しておくとすっきりします。

7)蝋燭の灯りを消す、「ロウソク消し」が便利です。

 ロウソクに灯りを灯してから読経を始めるのですが、終わってからの火の始末がとても大事です。私は心配なので、自分でロウソクの火を消すことにしています。しかし、多くのお宅にはロウソク消し(炎の上にかぶせて空気を遮断するもの)がありません。そんな時は、「エイや!」と心の中で気合を入れてロウソクの芯を指でつまんで消してしまいます。

 ロウソク消しは100均でも売っていますので、ぜひご用意いただけると嬉しいです。ロウソク消しの用の小さな団扇も可愛らしいです。

◎今日の写真は、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるサーモン氷河の周辺にある雪渓です。